卓上用 HORIBA カレンダーが来た。
卓上のものだけ代理店に余っていたらしい。代理店の人が帰り際にわざわざ届けてくれた。
感謝感謝。
ちょこっと見たけど、ちょっとこれはないんじゃないかな。
卓上カレンダーは幅15cmくらい。個々の標本サイズは1cmもないものが多い!
睨んで見てもなんの標本かわからない。なんとなく色だけわかる。
おまけに産地表記の字が小さい。
小学館文庫のカバー裏の「雨ニモマケズ」みたいな文字サイズ*1。
再生紙なので紙の質が悪く、よけい印刷がはっきりしない。
印刷が不鮮明なのでコメントのしようがないが、内容はコレクターを満足させるものとは言い難い。
国産標本は32種含まれている。32/365だから、10%もない。
信じられん。
桜井標本は、国内鉱業の黄金期の標本を網羅した「日本の鉱物」を芯とするコレクションだろう。
最低でも半分は国産だと信じてわくわくしていたのだが、完全に裏切られた。
かといって世界中まんべんなくというわけでもない。
なぜか celestine や wulfenite が6個も出ているかと思えば、磁鉄鉱がないとか、選択には疑問が残る。
写真の撮り方もヘン。
たとえば竹森あたりの水晶が2/21日に出てるんだけど、
「Brookite 板チタン石 Yamanashi, Japan」とある。
おそらく水晶の根本に brookite が付いていて、それがたぶん朱書で赤丸っぽく囲んであるんだろうけど、brookite は印刷1ドット分の大きさもない。
もちろん見えるはずもない。
2/28日は 「Columbite コルンブ石 Saga, Japan」とあるが、ベリルに見える。
おそらく杉山のベリルにくっついた黒色の columbite の標本なのだが、こともあろうにひっくり返して写真を撮ったのだろう。
淡い青緑色のベリルの結晶の裏が何となく黒っぽく透けて見える。
印刷して世の中に出すまでに、鉱物を知っている人の手をまったく通らなかったのだろう。
そうにちがいない。そうでなければこんなことはできない。
同じ現象は2/19の錫石にも。
標本そのままを並べるレイアウトに統一してしまったので、母岩に付いた小さな結晶はまったくといっていいほどわからない。
鉱物の美しさを一般に広めるのなら、子供向け写真集「科学のアルバム」(あかね書房)の方がずっとよい。
これにも桜井標本が入っている。

- 作者: 塚本治弘
- 出版社/メーカー: あかね書房
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
オレは「小日向のハイアロフェン」を出せとか、拡大率を一定にしろとか、産地を鉱山名まで書けとか、そんな無理を言ってるんじゃない。
どうして、外国の屑石よりももっといい国産標本がたくさんあるのに、そっちを撮らなかったのかって言いたいんだ。
そして、表題鉱物が裏側に回っているのにまったく気づかないっていうのも、どういうことなんだと問いつめたい。小一時間問いつめたい。
本当に誰も内容をチェックしなかったのか。
卓上版カレンダーはそんな感じ。まさか写真集の方もそうなっているとは思いたくもないが・・・。