軽く下見のつもりだったのだが
明日はオヤジの古稀のお祝いなので、事前の打ち合わせに、前日に実家に向かう。
・・・のつもりだったのだが、寄り道して採集の下見。
まあ、ついでついで、下見だけ。
一カ所は、戦争中に開発したモリブデン鉱山跡。
風邪でフラフラの状態で山に入り、やっと坑道を見つけた。
鉱石鉱物は molybdenite。5cm程度の石英脈に伴う。
ガマには1cm程度の六角の紙っぺらのような結晶があるが、粘土に埋まっている。
天盤には鮮やかな黄色い粉が吹いている。
黒い二次鉱物?みたいなものもあるが、種は不明。
次はちょっと離れた場所。
前に、地元の人に「子供はあの辺りで水晶を拾う」と教えてもらった水晶山。
地元しか知らないであろう場所で、「どうせ1cmぐらいの水晶だろう」と思っていた。
行ってびっくり。
露頭はガマだらけ。地面には大きな水晶が転がる。
ガマを開けようと努力する必要もない。もう既に開いているのだから。
大きそうなものを狙って粘土をほじる。
水晶がバラバラ出てくる。ただし、水晶だけ。
水晶は透明で、まあ、いいほうかな(写真はきれいなもの)。
しばらく掘ってみるが、あっという間に布バケツがいっぱいになる。
両錐の比率は50%を超える。驚くべき両錐率。
ガマは徐々に大きくなり、水晶は10cmを超えるものも出てくる。
あなどれない産地だ。
4時間掘っても、まだ終わらない。
いい加減飽きた。
「これでツインの一枚でもでればなあ」とか不謹慎なことを考え、黙々掘る。
大きなトッコがあるので、盤際にバールを入れ、剥がす。
しかし、粘土がべったり張り付いて、動かない。
粘土に手を突っ込んで確認してみると、板のような石が邪魔しているようだ。
バールを押し付けて折り取り、トッコを出す。
粘土を拭いてぎくりとした。折ったのは「軍配」だ。
しかも、左右4cmはあるきれいなもの。
ここはツインも出るんだ。見直したよ。
折っちゃったよーーーー(号泣)。
すまん、オヤジ。今日中には行けなくなった(笑)。
もう一枚「ハート」を出したところで、日が暮れて営業時間終了。
6時間掘っても、ガマの底が見えなかった。
ガマ粘土をすべて担いで降りる。
温泉に入り、コンビニで食料調達。
寝る。
夜中、こっそりと新聞紙の包みを開き、ムヒヒと笑い、また寝る。