科博連
http://www.edu.city.kyoto.jp/science/kahakuren/kahakurentop.html
さすが京都。しっかり益富地学も入っていますね。
夏休みも終わりました。
皆さん、自由研究は仕上がりましたか?
ちなみに私の場合、いつもいつも「親にやってもらったんだろう」と濡れ衣を着せられ、いやな思いをしました。
同級生ならまだ許せるのですが、教師にも。
小学校教諭なら、そのぐらい判断できるでしょ?
子供心に傷つきましたね。
小学校4年のとき、ひと夏の天気図を書いて提出したときの教師の不信そうな目はいまだに忘れません。
字を見れば、子供が書いたってのはすぐわかるでしょうに。
今なら、そういう教師には「お前も理科教育をしているなら、2号天気図用紙(表が無いやつです)に、ボールペン一本で気象庁予報部発表の気象通報を流して聞きながら記入してみろ」と言ってしまうでしょう*1。
白い紙に周期表が書ける理科教師が何人いるでしょうか*2。
街中に天気図用紙を一人で買いに行ったのがばれて、2時間正座されられたこともありました。
私の通った小学校は、校区外に一人で出たのが発覚すると、正座されられ棒でぶたれてこっぴどく説教を喰らったのです。
教師が「最近街中に一人で出た奴はいるか?」と聞いてきます。
私はやましいことをしてるつもりはありませんので、もちろん挙手します。
するとそうなるのです。理由を説明してもダメなのです。
そういう愚かな小学校に見切りを付け、一人で自転車で片道75kmの鉱物採集に出たのが小学校5年のときでした。
ばれなければいいんだ、と。
本屋でもらった県の20万分の1のポスター地図*3を持って、朝もやのなかを自転車で走ったぞくぞくするような開放感は今でも覚えています。
産地情報もわからず、今のように安価なデジタル時計も無いので時間もなかなかつかめず、道には迷うし。
散々な目にあいましたが、いろいろな方と出会い、助けてもらって無事に帰ってこれました。
そのときに採集した黄鉄鉱と水晶は、いまだに実家にあります。
7時間かけて行き、1時間石を探し、7時間かけて帰ってくるという、笑ってしまうスケジュール。
誰にも言わないで出て、しれっと帰ってきて疲れのあまりさっさと寝たのですが、コースが赤線で引いてある地図が自転車のかごに放り込んであったのを見られ、翌日の朝には親にばれてしまいました。
不思議なことに、ほとんど怒られませんでした。
親が時計を買ってくれたのと、地質屋を紹介してくれたのはすぐあとのことです*4。
それがさらにエスカレートし、ヒッチハイク旅行、野宿、縦走など、転石が転がるようにビョーキ化するまでにはそれほど時間はかかりませんでした。
私がおかしいのか、教師がおかしいのか*5。
両方かもしれませんが。
益富地学*6は、70リットルのザックを背負って、片道1000キロ以上の採集行に出かける不思議な中学生にはやさしくしてくれました。びっくりはしていたんでしょうけど。
つまり私は、「理科好き小学生」の、なれの果てなのです。
というわけで、科博連には大賛成なのです。
*1:石垣島から始まる各地の位置がつかめていないと記入が難しいです。マニラはすぐラワーグになりますし。ハバロフスクは砂じん嵐ばっかり吹いています。日本付近を通る等圧線はぐにゃぐにゃで、北緯東経の数値をきちんとした位置にプロットするだけでも一苦労です。
*2:f 電子遷移金属は除きます
*3:国土地理院の地形図の存在を知りませんでしたし、買える財力もありませんでした。
*4:親父はそのころ、県の学術調査の案内をしていたので、ウチには山屋だけでなく学問の畑の人がひっきりなしに来ていました。
*5:理想としては、理科教師はそれなりの知識を持ってほしいですね。専門知識ではなく、例えば植物の同定ならどの博物館の学芸員が強いか、とか。会議が多くてウンザリという意見もわかりますがね。私が受けたような扱いを私の子供にされることがあったら、迷わずその学校に意見の電話をかけるでしょう。
*6:そのころは、「地学会館」だったかも