へそ石

横須賀市博物館の古い雑報の取り寄せが到着。

いわゆる「へそ石」について


            蟹江康光


三浦半島海岸、横須賀市野比北方より北下浦にかけての海岸線に以前から「貧乏石」という名前で呼ばれていた石が波打ぎわに転石して打ち上げられていた。ところが、数年来の石ブームでこの石が「へそ石」という名前を愛石家たちによって、あらたにあたえられた。
1965年8月、横須賀市市役所北下浦支所の高木英男氏ならびに支所の方々より多数の標本を本館に寄贈していただいた。
筆者はこの標本の性状、由来した地層ならびに成因の調査・研究を行っているが、この結果はまだ不十分なので、簡単に報告する。
形態は球状、角の丸い円柱状(長・短あり)、あるいは円盤状なので、いずれも上面ならびに下面より見れば円状である。まれにこれらが接合して双子、三ツ子状をなしていることもある。また、特徴的に中央部には上面より下面に貫通する穴があいている。この穴は二次的物質(おもに炭酸カルシウム)によって充填されていることが多い。これらの形状により、へそ石と呼ばれたと考えられる。
岩質はおもに凝灰質粘土岩で、堅固なものは石灰質になっている。この岩相は第三紀、中新世下部の葉山層群の一部の岩層に似ており、また、この地域は葉山層群分布地帯でもある。おそらくは同層群の凝灰質粘土岩中に含まれる石灰質団球 (calcareous concretion) であると思われる。


(写真あり)


この種のノジュールは、実家のそばにもあるのだが、成因がはっきりしないものも多かった。
中に何も入っていないとか。
穴が開いているのもよくわからない。
謎。


誰か丁寧な分析してくれないかな。
周りの岩石と、ノジュールの各場所における炭酸塩の定量データ、できれば構成鉱物百分率がみたい。
可能であれば結晶方位の配向(多分無いだろうけど)の規則性など。


オヤジがネパールの思い出話で、こんなことを言っていた。

カリガンダキ川には大量のテチス海由来のアンモナイトを含んだノジュールが流れてくる。シェルパにいいモノを拾ってくるよう言いつけると、彼らは朝早く起きて、真っ黒な頁岩のボールを拾ってくる。朝露が多く結露したものがいいらしい(露の降りないものは、何も入ってないらしい)。これを焚き火に放り込んでしばらく加熱し、川に放り込むときれいに割れたアンモナイトが出てくる。ハンマーを当ててもきれいに割れない。


熱膨張の違いなんだろうな。


ちなみにそのあたりには大きな水晶の鉱床があるらしく、オヤジのコレクションには握りこぶし二つ分ぐらいの水晶転石(ガラスのように無色透明なもの)があった。
オレは化石は苦手なので、水晶の供給源を探すほうがいいなあ。