今日は様子見

1時間ほど時間が取れたので、コンクール課題に手を付ける。
しばらく結晶を観察。
犬流れのベスブ石みたいな結晶*1
ヤツも orthorhombic だったしな。
いろいろな溶媒に対するおおよその溶解度と結晶の出やすさを、ミクロサンプルチューブで見る。
こいつ、いわゆる「溶けづらくて落ちづらい」タイプだな。
なら種付けがシビアじゃないだろうから、ちょっと一安心。


酢酸エチルは文献通り、けっこういい溶媒。
他の溶媒でチェックすると、明らかに結晶相が違うのが析出しているのも。
あー、こりゃ結晶溶媒いるラセミ*2だな、ってことで。
そういう溶液にキラル結晶を種付けても、育ってくれない。
完全無視されちゃう*3


まずは水抜きした溶媒を作って濃厚溶液とし、熱時濾過。
こいつを下ろしたてのフラスコに放り込み、今日はこのまま徐冷して様子見。
本来なら、ここで温度計をぶち込んでおいて観察すれば、結晶化に適したおおよその条件*4がおおよそわかるんだが、だるいんで放置。


→書類書き1.5時間後、「どれどれ、どうなったかな」とチェック。
バッサバサに鱗片状の結晶が落ちてる。
濃すぎ。
結晶成長でできる低濃度溶液のシュリーレンの対流に乗って、大量の核が散ったっぽい。
沸騰飽和溶液を冷やしたんじゃダメのようだ。
まあ、期待もしてなかったし、再結晶してきれいにしようと思ってたし、ちょうどいいか。
じゃあ、次は溶媒と濃度をちょっと散らしてみるかね。


「結晶コンクール」カテゴリーを作ってみた。
コンクールネタで訪問された方はそちらをどぞ。

*1:これでわかる人はあまりいないか。箒沢のじゃないぞ。

*2:結晶溶媒のいるキラル(ラセミ混合物)って場合も無くは無いんだが、普通はあまりない。エントロピー的に不利になるから。パッキング力が勝てばそうなることも。

*3:しばしば、キラルよりラセミの方が溶解度が低い場合があり、そういうときは飽和溶液にもかかわらず種が溶けちゃって、欲しくない結晶が取れることもある。いわゆる「喰われた」状態。

*4:均一核形成しないで、結晶成長できる過飽和濃度と温度ってことです