石英ガラス

doublet2005-10-21

右上の写真は大口径石英ガラス管の形成スタート部の試作品。
歴史的なガラス。ビンテージ*1
石英は融点が高く、この大きさ(径15cm)の融解部の温度を維持するのは大変らしい。


国内の石英ガラス製造の歴史は、昭和7年に、鉄興社*2山形工場でフェロシリコンを作っていたときに、電極に付着していた原料珪石が融解した石英ガラス片を研究したのがスタートとされている。


このガラスの原料は、川俣水晶山のそれかもしれない*3
ってのはマニアなネタか。

*1:そういえば、Vidrex のような硬質ガラスも材料の入手が難しくなってきている。いわゆるビンテージ材。液体ヘリウムを用いるような、リークを極端に嫌う実験用のデュワーには最高らしい。パイレックスはこの目的には向かないようだ。Vidrex の古いガラス器具があったら、捨てないで職人に渡せばきっと喜んでもらえます。

*2:てっこうしゃ。戦前から昭和50年頃まであった鉄合金の製造を柱とする大きな会社。川俣水晶山とか、茂倉沢鉱山なども鉄興社の鉱山だった。石英ガラス部門は、現在、子会社の日本石英硝子にある。鉄興社は昭和末期に東ソーと合併し、社名は無くなった。

*3:光学用珪石は、珪石のうちもっとも品質が高いものを用いる。売価も当然高いのだが、やはり量が出ないらしい。