紅葉狩り2

連チャンで採集。やっぱり採集は楽しい。


最初は、花崗岩(正確には花崗閃緑岩)に入り込んだ石英脈を押した金鉱山。
秋晴れの中、沢をえっちらおっちら上がる。
しばらく採集に行かなかったので、体が鈍った。
滝の横に坑道を発見。
シュリンケージというよりは脈のとおりに押してるだけ。

一つの脈を、上下のレベルで掘っている。
中は、天井の高さが6mぐらいある。
足場はすべて腐って落ちている。
石英脈は、白い石英の破片をやや黄色い石英がくるんでいるマダラのもの。
幅40cm。ほぼ垂直。

この写真でははっきりしないが、明らかに一度破砕されている。
盤際は断層の肌っぽく、つるつるの粘土盤。
肉眼では金銀鉱物は見えず。
小さな水晶をお土産にする。
破砕されたぐずった石英塊の隙間に小さな水晶がたくさん生え、それがヘッドライトの灯りに照らされてキラキラ光っている。
すごくきれいだが、写真には撮れなかった。


上の坑道は、コウモリさんが寝ている。
「コウモリさん、コウモリさん*1」。
もう、冬眠中なのかな。
フラッシュを焚いても気が付かない。
きっと手づかみに出来るだろうが、噛まれるのも嫌なのでやめておこう。
顔をまじまじと観察するが、どういう顔の構造なのかよくわからん。

ピンボケだが、意外とグロかも(←人間の発想。実は村一番の美男だったりして)。
壁には大量のカマドウマがいる。こいつらはまだ冬眠していない。

こいつらはホントにやだ*2
滝の上にも坑道があるらしいが、沢の石英塊の状況から有望そうには思えず、引き返す。


次は、ある大学の古い紀要に載っていたペグマタイト。
地元のバアちゃんに聞くが、場所はまったくわからず。
探していたら、わざわざバアちゃんが追いかけてきた。
川の向こうに昔、金を掘った跡があるとのこと。
わざわざありがとう。
でも、金を掘ったわけじゃないんだよ。
しばらく歩き回ったが、露出の悪さに邪魔され、幅5cmの石英脈ぐらいしか見つからない。
それでも楽しい。


まったく石が採れないとカミさんに馬鹿にされるので、やや離れた水晶の産地に向かう。
ここはかなり前、大ガマを見つけたところ。
が、久しぶりに到着してがっくり。荒れ荒れ。
オレが以前開けたガマの横が、幅3m、長さ6m、深さ1mほど表土が剥ぎ取られて岩盤が出ていて、一抱えもある石がゴロゴロしている。
どうやら、オレの開けたガマの横を狙って岩盤を出したらしい。
ここは、オレがガマを開ける前は、ただの雑木林だった。
オレが以前開けたガマ(間口25cm)も、土で埋め戻したにもかかわらず、再度ほじくり返されている。
崩したら、埋め戻してくれよ。
状態が復帰できないほど掘るなよ。
きっと、この表土をはいだヤツは、オレの開けたガマの横に転がっていた水晶を見て、このあたりが有望だと目をつけたのだろう。
で、脈を読めずに体力を頼りに岩盤を崩したんだろうな。
軍手もコンビニ弁当の殻もそのまま捨てられている。
オレにも責任はある。ガマのそばに水晶を散らしておいたのが悪かった*3
反省。
もう、ここには来ない。
採集する気も失せ、落ちているゴミを拾って帰る。


後味の悪い採集行になった。
最近は、「掘ったり崩したりしたら元に戻す」という不文律がなくなったのだろうか。
露出が良くなって、次の採集者が喜ぶとでも思っているのだろうか。
自分で自分の首を絞める行為だということにいつになったら気付くのだろう。
ガマをスッパリ抜いたオレが良くて、崩しまくったヤツは悪いというつもりはまったく無いが、自然からの恩恵を受ける趣味だということを忘れてはならない。
そして、地権者や地元の好意によって採集が容認されているということも。


よく知られた産地はいつもこうだ。
行くとイヤーな気分になる。
それとも、オレが考えすぎなだけなのだろうか?


林の中を、のんびり散策。
本当の紅葉狩り
少し気が晴れた。
マムシグサの赤い実がつき、よく目立つ。
マムシグサは花は気持ち悪いが、実が赤くてきれい。
と思って接写。

うーむ。黒地に赤いイボイボか。やっぱり気持ち悪い。


まあ、いろいろあったけど、やっぱり採集は楽しい。
たぶん、今回が今年の採集終いだろうな。
おつかれさまでした。



↑今年、一番大活躍した道具。ザックとメットとライトと土嚢袋。
ライトは Petzl。メットはミドリ安全のもの(JARE のロゴ入り)。
このメットをかぶっている人にあったら、声をかけてね。

*1:黄金バットが出典

*2:以前、入れたばかりの紅茶にダイビングして湯だったでかいカマドウマのおかげで、こいつらにはトラウマがある

*3:持ち帰れないものはまわりに置いておいたのが悪かった。今度からはそういうことはせず、すべて子供に配ろうかな。