硬質ガラスのソックスレー

doublet2005-11-17

硬質ガラスの小ソックスレー抽出器を割ってしまった学生さんが、「なんとかこれを直してもらえませんか」と泣きついてきた。
えらく古そうなガラス。40年は経ってそうだ。
ガラス工場に修理を依頼したら、「素材が違うので直せません」と拒否されてしまったのもののお鉢が回ってきたらしい。
見るとそんなにひどい割れかたではない。
胴を何かにぶつけてヒビがバリバリ入っている程度。
ソックスレーの胴の修理の場合、サイフォン管を一回横に曲げてから修理し、その後サイフォン管をもとに戻す。


で、周囲の注目を浴びる中、軟化温度の低い硬質ガラスをさっくり直し、なんとかメンツが保つことができた。


学生さんには「このぐらいは直せるようになったほうがいいぞ」と言ってはみるものの、正直ヒヤヒヤだった。
古い硬質ガラスは局所的な加熱に弱くてヒビが伸びやすいし、パイレックスに慣れてしまうと軟化温度が低すぎて細工が難しい。
今はほとんど硬質ガラス製品を作らなくなったので、職人もたまに紛れ込む硬質の扱いには苦労しているのだろう。
硬質なら、天然ガスに足踏みフイゴの方がいいのかもしれない。なつかしいね。