シュレンク管

シュレンク管のことを「シュレンク」と略してしゃべることがあるが、特許にまでそう書くのはいかがなものかと思う。
普段の口癖が出ちゃうのはわかる*1
アルゴンのラインと真空のラインが二本平行に付いていて、両者をまたぐようにいくつもの三方コックが付いている真空ラインを「シュレンクライン」という。
これだって「シュレンク」だ。最近は出番が減ったが。
オリジナルのシュレンク管は、ただの側管付きの管状の反応容器だった。
いつの間にかスリが付き、コックが付いた。ガラスフィルターの付くものもある。


100 ml ナスフラスコに二方コックをつけただけのものが、一番安くて機能的かも。
シュレンク管を常用する研究機関は、化学全体から見ればほんの一握りだが、そういうところは独自の技術や器具・装置を持っているところが多く、流派によって実験手法が大きく異なるようだ。
別の門を叩くと、自分が常識だと信じて疑わなかったものが、実は案外そうではなかったことを知るいいチャンスになる。
ただし、実験者(特に学生さん)の技術は一つが特化すると他がおろそかになるもののようで、不安定化合物を取り扱わせたら比類なき腕前を示すものの、蒸留がからっきしダメというようなことも多い。


シュライバーの後、まともな日本語のテキストが出ていないのは問題あり。

*1:オレは、保存用の文書には、リービッヒのことを「リービッヒ氏式冷却管」と書いている。大変しつこい書き方ではある。