TBDMS-Cl

友人から「柔軟性結晶のもっとアップの写真は無いんか?」とメールが来たので、もっとも典型的なものをお見せします。


TBDMS-Cl, t-BuMe2SiCl です。
信越化学が売っている試薬瓶の蓋に昇華していたものです。
枝分かれした、アメーバみたいな外観がわかりますかね?



この試薬は水酸基やカルボキシル基の保護にはうってつけで、広く市販されています。
信越化学は Me2SiCl2t-BuMgCl のシアン化銅存在下での反応で特許を持っているので、信越のものが一番簡単に手に入ります。
「高い試薬を買わないで、自分で作れるんなら自分で作れよ」というご意見はもっともです。
が、この反応、たまに反応混合物が吹き出すんですよね。
天井まで反応溶液が吹き上げたこともあり。
そしたら、特に名を秘す後輩が来て、彼が掃除を手伝ってくれるんかと思ったら、いきなりデジカメ写るんですを持ってきて天井の写真を撮り始めたのはちょっとむかつきましたね。


まあ、あのとき彼は学部生ぐらいのころだったから、時効にしといてあげましょう。

おまけ

黄色い結晶



あーあ。結晶溶媒が抜けちゃった。
さっきまできれいな透明な結晶だったのにな。
溶液に漬かっているときに写真を撮っとけばよかった。
今日はこいつの NMR で徹夜だな。