黒鉛

還元剤であるカリ黒鉛を作るのには、どのメーカーの黒鉛がいいか検討。
多々のメーカーの黒鉛があり、それぞれサイズ、形状、結晶化度、純度、粒度分布が違う。
合成ものは結晶化度が低く、粒子が小さすぎて作るのが難しい。
カリがダマになってしまい、この上を黒鉛粉末が覆うので蒸気圧が下がり、拡散していかない。
某研究室では粉のようなものを使っているらしいが、実際にやってみるととにかく時間がかかる。6時間ぐらいかかる。
手に入りやすいところでは、Ald 332461 がまあまあ。こいつは天然もの。
こいつなら30分できれいにできる。
ただしこいつは粒が大きく、その後の還元反応がちょっと遅くなる。
あんまり細かいと反応が速すぎて過剰還元が起こるし、大きいと数日まわしても反応が終わらなかったりする。


ある会社のものは、スパッと KC48 がきれいに調製可能。秀逸。
このぐらいの組成比だとほとんど黒鉛と見た目が変わらない。わずかに青いメタリック光沢がある。一般的な1:8の当量だと新しい十円玉のような色。


山に黒鉛を探しに行きたいなあ。北海道あたりに。
ある鉱山の黒鉛じゃないとうまくいかない反応があったらおもろいかも。
古い論文では、マダガスカル黒鉛単結晶を用いたって実験項に記述があるけど、マダガのじゃないとダメなんだろうか。
シルセスキオキサン合成で、メキシコの異極鉱を原料にしたって書いてあった論文があったが、オレも原料調達に行きたい。
天然の鉱物を、元素の原料にするだけなのはもったいない。できることなら鉱物の部分構造をうまく取りだしてやって、ローコストで複雑な構造を有する高機能性無機・有機金属化合物を作り出してみたい。
ゼオライトは例外として。