モジズリ

ちょっと時季はずれだけど、モジズリ Spiranthes sinensis Ames var. amoena Hara。
地方名はネジバナ
イネ科の植物と共生するラン科の植物。
芝生によく生える。
実家の芝生にいっぱい生えたので、丁寧に掘り起こして鉢に植えたのだがみんな枯れてしまった。
芝ごと植えないとダメみたい。

どんなに恐ろしい武器を持っても、どんなに可哀想なロボットたちを使っても、人は土から離れては生きられないのよ!


可憐な小さなランの花が、ぐるぐるとねじれなから付く。
属名の spiranthes はこの特徴から来ている。


で、この螺旋は右ねじれと左ねじれの二種が存在する。

調べたところ、右らせんがほとんどで、たまに左らせんが混じっていた。
左らせんは出現頻度で1%あるかないかだった。
左らせんは花の色が白かったりと、遺伝子的に弱そう。
左らせんが途中でらせんがほどけ、右らせんに変化していたりする。
もうちょっといろいろな場所で調べてみたい。


なお、ここで言う「右」「左」は化学や物理のらせんであり、植物学の「右巻き」「左巻き」とは逆。


spiranthes で思い出したけど、最近のオレの化合物はめちゃくちゃスピロ環状。
スピロ原子だらけ。しかも縮合多環も。
縮合多環は以前いっぱい作っていたけど、スピロはあまりなじみがない。
飽和縮合多環の場合、コンフォメーション変化がいくつかの環で連動するんだけど、スピロ環はそれがない。
みんな独立に動いて、隣の環の puckering には釣られないみたい。へんなの。
だから、スピロ環状化合物はそれに相当する縮合多環に比べるとグニャグニャで、NMR でもなかなか止まらないし、結晶性も縮合多環に比べると落ちる。
bicyclo[2.2.0]hexane と spiro[3.3]heptane の動的挙動を比べるとわかりやすい。