昼までちょこまか論文書き。
データがいくつか不足していますが、これは早急に補充しなきゃいけませんね。
なんとかなりそう、かな?
まとめられそうなものはさっさか公表しちゃいましょう。
まじめにこまめにやらないと、根がずぼらなのですぐさぼっちゃいますので。


昼過ぎ、車を飛ばして知人の家に。
「付加体とはなんぞや?」が今日の論題。
すごく簡単な所からスタート。
「そもそもプレートテクトニクスの考え方がなってない」と怒られました。
えー、そうかな、とも思ったんですが、そうみたいです。
とにかくわかりやすく噛み砕いて教えてもらいます。
四万十帯などを例に、いろいろ教えてもらいました。
「いまどきコノドントなんて言ってる人はいないよ。そういうのはみんなHさんの影響かな。今は微化石は放散虫が主流だ」
と、微化石を基軸とした層序学も。
ふむふむ。座学で聞くとこの人の話は大変わかりやすいです。
そんなことを数時間していたら少しずつ飲みこめてきたので、さらに突っ込んで地質学論集第55号を教材に教えてもらいました。
「へー」を百回ぐらい言いました。
「ただしこれは孫引きなので、原著論文から読んだほうがいい」と、鎌田先生の論文を渡されます。
件の場所の20万分の1地質図をネタに示されます。
で、それを5万の表層地質図に勝手に引き伸ばしてるので、こいつはあまりあてになりません。
なんだそりゃ、って感じですね。
このあたりの古典的な地質図から、一番新しい彼のフィールドワークも交えて、地質を教えてもらいます。
いずれにせよ、簡単な地質ではないというのがよくわかりました。
「付加地質学は学部学生が講義を聴いて、学会と論文をチェックしながら一年フィールドに出ればいっぱしの口をきけるようになるので、それほど難しくもないよ」といじめられます。
いや、オレは講義も出てないので、そりゃ無理ですってば。
昨日の場所の地質は、じっくり調べないとはっきりは言えないのですが、付加複合体と表現したほうがいいのでしょう。
メランジュとは言い難いようです。
でも、これを化学の学生に理解させるのは容易ではないようです。
彼らはチャートも放散虫もわかりませんからね。


さて、放散虫の話をしていると、当然のようにフッ酸が出てきます。
フッ酸でなぜ放散虫が溶けないかという話だと、だんだん化学の畑に近くなってきます。
化学の人はフッ酸なんて恐ろしい試薬は、できることなら使用を避けたいですよね。
そのあたりから逆に突っ込んで、いじめ返します。
「濃いフッ酸を浴びると体の中のカルシウムをみんな落としちゃうのでカルシウムチャンネルが阻害されて心室細動で死にます。」と。
薄いのはそんなでもないんですけどね。1%ぐらいならへーきで素手を突っ込んでたりします(ぉぃ)。
岩石薄片中の輝石の同定となると、細かい話をするには物理的手法を用いた機器分析の話になります。
このへんは得意。反撃にでることができます。
「古いレークサイドセメントを20本ばかし入手した。今はカナダもなかなか作ってくれないのでそう簡単に手に入らないんだが、モノが古すぎて揮発性成分が飛びすぎてひび割れちゃう。これ何とかならないかな」と言われます。
一回溶かして、なんかで薄めないとダメでしょうね。何で薄めるといいのかな。
シレンじゃむずかしいか。松脂で薄めるとか?
彼はコンピュータが大嫌いです。いじめるつもりもありませんが、これが苦手だと GEOLIS も使えません。
「そもそも GEOLIS はまじめに検索してないのに検索しているふりをして、待ち時間が長い。何とかしろ」と。
サーバか回線の問題でしょうか。CD版の使い方を(逆に)教えます。
そのほか、いろいろ苦情を聞かされます。
そ う い う こ と は 地 調 の ひ と に い っ て く だ さ い
カシミールの使い方も教えましたが、彼がカシミールを使って断面図を書くようになるとは思えません。
配布されているメッシュ地形データが粗すぎるんですよね。
でもでもでも、GPSを使うようになると、二万五千分の一地形図もずいぶんはしょっているのがわかります。
道のカーブの深さも、忠実ではなく結構浅く書いていることが多いです。これはしょうがないんですが。


まあ、勉強したいことは勉強できましたし、新しい鉱物産地情報(彼は鉱物採集にはほとんど興味がないのですが)も聞けたので、退散します。
結局昼過ぎから8時まで教えてもらいました。感謝です。


実家で飲んだくれてました。
うーん。精神的に伸びをした気分です。