律速

doublet2006-07-18

http://www.rissoku.net/


律速(りっそく、rate-determining step)、ちゃんと出ますよー。
化学の畑の人ですもん。
われわれの細分野では、多段あるいは多数の中間体もしくは遷移状態を経由して進む反応の一部が極端に遅い反応のとき、ここを「律速段階」もしくは「律速段」と表現することが多いです。
全体の速度を決めているのは極端に遅い反応だ、ということですね。
あるいは、反応速度を左右している物理現象とか。
「拡散律速」という使い方はこれです。
ボトルネック*1という表現もよく似ています。
使い方で一番重要なのは、律速になる段階の反応速度が、他の段階に比べて極端に遅いことです。
化学では数桁違うことが多いです。
そのぐらい違って、やっと全体の速度と律速段階の速度が近似できます。


いくつか、学術用語が一般的に使われる用語に転用されている例はあります。
活性化(activation)、昇華(sublimation)などです。
学問やってる人は、こういう転用が好きです。
でも、そのうち一般的な言葉か専門用語かわかんなくなっちゃうんですよね。
「非局在化」「不整合」なんて言葉は、どっちが先かよく知りません。

*1:瓶の内容の液体を注ぎ出すときに、瓶の口(もしくは首)の形状によって流速が左右されるということなのでしょう。