ヒトクチタケ

ひっくり返ったアカマツの幹に、ヒトクチタケ*1がいっぱいくっついていました。

ころっとしていてかわいいのです。温泉饅頭のよう。

和名命名の由来は、菌の内被膜に開いた空孔を口に見立てたもののようです。
下から見るとこんな感じです。

不敵な笑みですよね。
そこそこに成熟した菌は口が開くのですが、幼菌は口が開いていません。
右は通常の口の開いたヒトクチタケ、左はまだ口の開かないものを引きちぎって無理矢理開けたものです。

間口のあるサイズの菌ですと、ここに平均3匹程度の甲虫が入っていました。

冬眠中みたいですが、追い出してしまいました。申し訳ない。
菌の上部は強い繊維質で、茶色く色付きます。


虫の戸建住宅です。
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ただし、倒木の下側に生える菌は、菌上部でマツ倒木にくっついているために包皮の引きつれが起こらず、自動的に「開かずの間」になります。

*1:Cryptoporus volvatus。サルノコシカケ科 ヒトクチタケ属。