遊びにいってこよ。そうしよ。

朝早く起きて数時間書き物をしていましたが、今日はびっくりするほどいい天気でもったいないので、ちょこっと露頭を見に行ってきました。
しばらく高速道路で好天を楽しみながら、目的地近くまでドライブ。
高速道路で運転しながら、鉱山ナビゲーター*1をセッティング。
これを使うのも久しぶりです。
運転しながらパスワードを入力するのは危険ですのでやめましょう。
最初の目的地は、昭和30年代にあられ石の数センチ大の結晶が報告された場所。
ですが、行ってみたらかなり様子が違いました。
川岸の露頭はすべて護岸工事済。山際の露頭は採石場になっていました。

もう、こうなると川岸は諦め、採石場の方(報告よりだいぶ掘り込まれています)に期待を寄せます。
ちょうど採石場の持ち主がクラウンで来たので、しばらく話をして許可を貰います。
しかし、わずかばかりの方解石脈程度で、ハンマーを当てるようなものはありませんでした。
山はホタルブクロが花盛り。とてもきれいでした。
昔の子供はこの花の中に捕えた蛍を入れ、蛍の光を楽しんだそうで、すごくロマンチックな命名ですよね。


次はずっと上の、菱沸石産地。
これは昭和10年代の報告で、現在は場所が確定できていません。
目星をつけた場所を1時間程度、藪を漕いだり崖に登ったり沢を上ったり探してみましたが、沸石化されている気配はありません。
微妙に変質しているような感じの場所は何ヶ所かあるんですけど。


ついでに、そばのメノウ産地を見に行きます。

ここは、幅3cm程度のメノウ脈がちょこまか走っている場所でした。20年前は。
ところが、行ってみたら藪だらけ、しかも沢がジメジメ湿って、山蛭がいます。
こいつらは大嫌いなので、現地まで行かずに退散します。
ご馳走するのは勘弁です。
沢の中で2cm幅のメノウ転石を拾って、次に行きます。


道路には、いっぱい猿が出てきて、人を怖がる様子は無く、道路の真ん中で毛づくろいをしています。
観光客による餌付けの弊害です。
私はそんなに甘い人間ではありません。
猿にハンドルを向け、目いっぱいアクセルを踏みます。
猿は、こちらが殺意ギンギンなのに気付き、「やべぇ、こいつキレてやがる」という感じで、一目散に崖をよじ登ります。
ちっ、もうちょっとだったのに。


まったく空振りなのは寂しいので、数年前に出向いた沸石産地に顔を出します。
この間私が行ったときのままのようです。
私が石の上に放置した濁沸石の塊がそのまま残っています。
ここの沸石化作用はすごく狭くて、10mぐらいしかありません。
しかも、母岩(安山岩)が極端に硬くなっていて、ハンマーを当ててもそう簡単に岩が割れません。
たぶんこのブロックの裏にガマがあるだろう、という目星を付け、タガネをつけます。
が、先端が折れました orz
岡安のタガネはプロ用で焼入れが強すぎ、私のような素人ではすぐ折ってしまいます。
しばらく叩いてブロックを砕き(ハツるという表現の方が正しい)、はずしてみたら5cmぐらいのガマが開き、中に剥沸石、菱沸石の結晶がいっぱい付いていました。
が、こいつらも岩が硬すぎて外せません。
2cmほどある見事な剥沸石の集合結晶が、衝撃で割れて飛んでいってしまいました。
まだ、ガマの後半分が残ってますので、興味のある人はさらってください。
それでも、目的とする鉱物はすべて確認できましたので、次に行きます。


次は、30年ほど前に、十字沸石が報告された場所です。
ここは一回探しに来ましたが、よくわからなかったので後回しにした場所です。
しばらく林道を走り、崖に梯子を立てかけて上ったり、転石をチェックしましたが、どうもよくわかりません。

法面セメント被覆の下なのかもしれません。
ある露頭は、明らかに変質を受けていて、沸石の脈がちらほら入っていますが、やはりハンマーを当てるほどの物ではありません。
しかし、脈の一部が肥大して、くぼみに大ガマを見つけました。
下の写真です。
写真右上から左下にかけて沸石の脈が走っていて、左下にガマが見えているのがわかりますか?

ガマのアップはこれです。
http://f.hatena.ne.jp/doublet/20070617170415
↑こっち見んな。


そんな感じで日が暮れて、今日も楽しく山を駆け巡ってきました。
やっぱり山はいいですね。

*1:何のことはない、全国の鉱山および鉱物産地の位置情報を書き込んだ国土地理院2.5万にハンディ GPS データを落として、リアルタイムでナビゲーションができるようにしたものです。