古川(幌満)−襟裳岬−軍艦山−蓬莱山−東都鉱山跡

昨日、幌満のダムサイトまで濃霧の中を飛ばしましたが、今日はすごくいい天気。
空が真っ青。暑いです。何で北海道なのにこんなに暑いのかと。

↑これが幌満ダムです。ダム湖の名前は幌満湖。途中で切って読まないように。


今日の目的地は幌満のリチウムペグマタイトです。
北海道鉱物誌にもここのルベライトの記述があります。
記載はいくつもあるのですが、正確な場所がわからず、地質図幅にある場所に向かいます。
岩鉱記載の場所は沢の上です。どちらが正しいのか。
地質図幅では林道の横にマークが付いています。
現場はこんなところです。

クマの気配はあまりありません。エゾシカの足跡がいっぱい付いていて、泣き声が聞こえます。
この山の中をしらみつぶしに歩きます。
日高帯の一番南で、ダナイトと蛇紋岩ばかりです。
こんなところにペグマタイトがあるのかしらん?


よーく探すと、斜面のところどころに曹長石の大きい塊が落ちていて、中には黒い電気石が入っているものもあります。
どうやらこれが母岩みたいです。
ですが、どう探してもどこから転げ落ちているのかがわかりません。
あれれ?
3時間ベタに斜面を探しましたが、見つけることができませんでした。


岩鉱の場所は対岸の深い森の中で、そこまで行って探すとなると一日仕事ですので諦めます。
次の機会に再チャレンジします。


せっかくここまで来たので、襟裳岬まで出向いてみます。
襟裳岬は観光地で、なかなか旅情というものが味わえません。
まあ、それもまた良し。
襟裳岬はこんなところです。

あの岩礁が日高帯南端です。


襟裳岬の芝に、モジズリが咲いていました。
風が強いところですので、背の詰まった花序で、そのぶん色がすごく濃い感じ。


ウニは高いなおいしいな♪

↑ホントは食べてません。捌いているところを写真におさめただけです。


このあたりは日高昆布の名産地です。
昆布漁は夏のちょっとの間だけですが、この日も朝から沿岸で漁をして、干していました。

昆布をお土産に求めて、次に向かいます。


次は三石軍艦山です。
特殊地帯の報告書に、ここで磁鉄鉱の大きな結晶が出るという記述がありましたので、そこまで行ってみます。
ですが、完全に藪と化していました。
わざわざ掘り起こすことも無いでしょう。
北海道は自然の力が強く、人工地形も簡単に自然に戻ってしまいます。
自然と人との触れ合いなんてものじゃないです。対決です。
喰うか喰われるかです。


今日は一つも採集物がありませんでしたので、しょうがなく送りバントで有名産地に向かいます。
蓬莱山の向かいに少しだけ露出があり、ここからきれいなアクチノ閃石が出てきます。
いくつかお土産に拾って帰ることにします。
磁鉄鉱の結晶が出る場所がわかりません。
蓬莱山の上まで上がってみましたが、とうとう判らずじまいでした。
蓬莱山の向かいの山の中にも、クサビ石や燐灰石が産出するらしいのですが、熊笹の林で、案内を求めないと難しそうな気配です。


最後に、芋クロムを探しに、東都鉱山跡に向かいます。
そろそろ日が暮れてきました。
20分で見つからないと、ズリの上で日没になりそうです。
川の向かいに大きなズリがあり、黒くて重い石が混じっています。
これがここの目的鉱物のクロム鉄鉱です。
標本としては、マッシブな塊より、珪線石のなかに数ミリ台の結晶が散っている方が見栄えが良いので、これを二つ拾います。
隙間にある緑色の脈はウバロバイトですが、結晶が肉眼で確認できるものがありませんでした。
しかも日が落ち、手元がよく見えません。
この辺はクマもいるのですが、エゾシカがケンケン鳴いていました。
これが今回の北海道採集行最後の産地です。
お疲れ様でした。


苫小牧まで車を飛ばし、時間を潰してフェリーに乗船。


北海道は楽しかったな。また来たいな。