グロ修羅

最近、個人的に小さな柘榴石(ざくろいし。ガーネット)がブームです。
今回も、灰礬柘榴石(かいばんざくろいし。グロシュラー)。
Grossular@Waga-Sennin Mine, Kitakami, Iwate

スカルン性のもので、無色透明に近いです。


柘榴石は、2価および3価の金属イオンのネソケイ酸塩(ケイ酸イオンが単量体として存在しているもの)なんですが、金属によってバリエーションが生じます。
今回のものは、2価イオンがカルシウム、3価がアルミです。
数日前の写真も同じ灰礬柘榴石です。わずかに3価の部分に鉄イオンが置換しているので、黄色くなってます。

鉄がほとんど含まれていないと、無色透明になります。


2価イオンがカルシウム、3価が鉄のものは、黄色−赤褐色系統です。
これは灰鉄柘榴石と呼ばれます。


2価イオンがマンガン、3価がアルミニウムですと、オレンジっぽくなります。
これは満礬柘榴石と呼ばれます。


「ガーネット」というと、赤い宝石の代表格のように思われていますが、さまざまな色調を示す面白い鉱物です。
無色も黄色も赤も緑もあります。
ころっとしていて、かわいいのです。


たいへんありふれた鉱物で、日本中いたるところで出てきます。
特にスカルン(石灰岩と深成岩の接触部分)では鉱床を作るところも多く、数十メートル単位のブロックになっています。
一山すべてガーネットなんて話もそれほど珍しくありません。
今回の写真はすべて小さな標本を選んで撮影しているのですが、産地では誰でもこのレベルのものは踏んで歩くでしょう。見えませんもの。