シベリア水晶
水晶@ 2nd Sovietskiy mine, Dalnegorsk, Primorsky Krai, Russia
スカルン性(石灰岩に高温の深成岩が接触し、両岩石の成分交代を起こしたもの)の水晶です。
柱面がまったく見られず、一見して石英の高温相(高温石英)に思えるかもしれませんが、スカルン性のものではしばしばこういう晶癖の水晶が見られることがあります。
国内では、神岡、小ツ組などにもこういうタイプの低温石英が産出しました。
東北大の研究では、成長初期は柱状をしているんだということです。
いろいろな標本を見ていると、どうやら角閃石の綿に囲まれて産するみたいです。
産地のダルネゴルスクというのは、沿海州の鉱山街で、ちょっと前まではテチューヘと呼ばれていました。
気象通報で、ハバロフスクからの連絡が無かったときに切り替わるアソコです。
そして、撮影時に標本を別の石の上に落としてしまい、結晶を割ってしまいました。
やはり、撮影台と標本支持、そしてカメラの角度をコントロールする機構を考え出さねばなりますまい。
(追記)tett さん用に、もう一枚この水晶の写真をアップします。
この水晶を、正確な c 軸(六角両錐の頂点方向)方向から、ライティングをいじって写真を撮ると、ヘキサグラムが見えてきます。
これは、結晶を透かして見える向こう側の結晶の稜線が、内部で屈折してちょうどこの角度に視認できるのですが、ほぼ正確なヘキサグラムを作ります。
石英の格子定数と、屈折率がたまたまそう見せているのですが、ぼんやりと幻想的に見え、神秘的なものを感じさせなくもありません。