プラタナス(スズカケノキ)

Platanus orientalis

あるところにヤマアラシの夫婦がいました。
先日は初雪。彼らの愛の巣である岩穴も凍てつきました。
彼らは互いに近寄って温め合いたいのですが、各の刺がそれを阻みます。
近くも無く、遠くも無い。
そんな距離で丸まって寝るしかありませんでした。


ある寒い雪の日に、意を決して夫が妻に寄り添いました。
互いの棘が体に刺さります。
妻は戦慄しました。
「イッ!・・・イタキモチイイ?」
チクリとして、ジンワリと痛むその感覚は、それほど悪いものではなく、むしろ病み付きになりそうな禁断の味。
「やってみたらおいしかった」のです。


それからというもの、夫婦は互いにチクリチクリと責め合いながら、夜の生活を楽しみましたとさ。