今日のアシナガ −最終章−

ここ数日、ハチの様子が変だなと思っていたのですが、とんでもないことが起こっていました。
巣はこんな状況。ハタラキバチも新女王もいなくなり、オスが一匹だけポツンとお留守番しています。
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あれれ。


入り口から見るとこんな状況。真っ白い糸状のヘンな繭がいっぱいでき、幼虫はすべて死亡しています。
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これはどうやら、寄生するガにやられたらしいです。
セグロアシナガバチは天敵のガ(ウスムラサキシマメイガ)がいて、こいつは虎視眈々とアシナガバチの巣に卵を産もうといつも狙っています。
このガがうまく卵を産みつけることができると、孵化した幼虫は巣に潜り、幼虫や羽化寸前の状態を片っ端から食い荒らし、そこで繭を作ります。
どうもこの状態が完全に乗っ取られた状況のようです。
こうならないように、アシナガたちはガを見つけると全速力で追い払い、しばらくは羽を根性で扇いで「パラサイト・ダンス」を踊るのですが、その努力もむなしく、巣はやられてしまいました。
そもそもこの巣の位置は非常に悪くて、直射日光はモロに当たるので扇がなけりゃ幼虫はゆだっちゃうし、スズメバチには丸見えだし、雨は当たるし、ヘンなおじさんは毎日のように写真を撮りにくるし。
だから、ここはいい場所じゃないよ、って言ったのに。
そして、一番働き者の「どんちゃん」は、不慮の事故で私によって殺されました。
そんなこんなで、巣をあけている間に侵略者によって巣は再起不能にされ、しかもこの暑さで幼虫は弱り、多くのハチたちは戦線脱離。
生まれ育った巣を放棄して、別の場所に行きました。
肉団子を持ってきてくれる成虫がいなくなれば、幼虫はすべて死にます。


そして、現実を認識できない男一匹。
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お前さんの人生は、これからなんだぜ。山田康雄の声で)


立地条件が悪いと、悲惨な目に遭います。
どんなにうまいラーメン屋でも、場所が悪けりゃ相当苦労します。
不動産の購入は、事前に土地が住居に適しているか、建ぺい率などの諸条件をチェックの上、よく吟味しましょう。


で、立地条件がいいとどうなるかって言いますと・・・
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こうなります。別の場所の巣です。
もういつものアングルでは巣全体が収まりません。ここからおそらく数百匹は巣立ったでしょう。
この巣も、ウチの巣も、同じ時期に一匹の女王が巣を作りはじめたのです。
明暗を分けたのは巣の場所だけです。


この巣も左上にオスが見えます。顔色が悪いんです。
この巣も遠からぬ未来に解散です。
古い女王やハタラキバチは秋に死に、新しい女王とオス*1が地下に潜伏して冬を越し、来年、また巣を作ります。
この虫は、昔からずっとこういうことを繰り返してきました。


(おまけ)ある日のどんちゃん
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前足を背中まで回して、背中を掻いています。
これを彼女は両手でできたのです。へんなの。
(´・ω・`)ショボーン

*1:本を読んだら、オスは交尾を夏の終わりに済ませて冬には死んでしまうんだそうです。