絶対音感と相対音感

音という波動の波長が当てられるのが絶対音感です。
波長は波の長さですが、音の波は容易に見ることができないので、振動数、すなわち単位時間当たりの振動回数のほうが理解しやすいです。
で、これらはいずれも連続した値ですので、誤差を伴います。人間による検出も同様。


相対音感は、複数の波の振動数の比がわかるということをさします。
基準音に対して1オクターブ上とか、半音下とか。
これは、振動数が基準音に対して倍になっている、あるいは11/12になっているのを耳で判断していることと同じ。
絶対的な振動数はわからないのですが、二つあるいはそれより多い音の振動数比を評価しているのです。
和音のアルペジオみたいなものでしょうか。


その二つは、物理的にまったく違うことのように思えますが、実はそうでもありません。
絶対音感を持つ人は、自分の中に音階の基準音を内蔵していて、これと照合しているのですが、同じ芸当は相対音感の持ち主にも当然できます。
しかし、人によってその基準にバラつきがあります。
体調や気分によっても振れるでしょう。
この精度が平均率の半音に収まる程度であるなら「絶対音感の持ち主」、それより精度が低いと「相対音感の持ち主」に区分されるのでしょう。
要するに、「合ってない絶対音感」の持ち主を「相対音感だけはわかる」としているのです。