硬質ガラス修理2

ビードレックスに「硬質の修理頼むよ」って聞いたら、「今はパイレックスだけしか修理してないんですよ」とのこと。
あらあら。
ビードレックスといえば、ハリオと並んで日本を代表する硬質ガラスの品名だったのですが。
いずれもビイドロ*1、玻璃王から名前が来ているという、実に日本的なガラス屋なのですが、コーニング&岩城に屈せざるを得なかったようです。


ビードレックスで真空デュワーを作ったら、パイレックスよりもはるかにリークの少ないものができると名人職人のS氏は言っていました。なので古い生地をストックしているのだと。


以前も書きましたが、日本の理化学ガラスのガラス細工は、ドイツ製の輸入実験器具を川村禄太郎が見よう見まねで修理を始めたところからスタートしています。
それから100年。多くのガラス生地が生まれ、消え、商売の形態も変わりました。
研究の姿勢も変わり、金を稼いで使い捨ての実験道具を調達するという風潮に。
ガラス器具に愛着を持たず、金さえ出せばなんの器具でも買えるし作れると思っている化学屋のいかに多いことか。

*1:ガラスの古名、ラテン語の vitro から