Ultra Achromatic Takumar 300mm F5.6

正確には私のレンズではありませんが、現在私のところに来ています。
これはドイツに発送予定。彼が欲しくないなら私が使います。
傷つけないように気を付けて試写。このレンズは第一面が蛍石なのです。おっかない。


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なんか色がおかしい。寒々しいのです。
割りとカリっとしてます。
コントラストはいいです。


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これ、大変珍しいレンズで、なかなか市場に出てきません。
石英ガラスと蛍石からできています。
アクロマチック」というのは、「二色(二つの波長)で色収差補正した」という意味。
三色なら「アポクロマチック」です。
紫外域近くから可視領域を通して赤外領域まで素通しする、非常に特殊なレンズなのです。
で、可視から赤外までは波長によるピント位置の変化が無いんだそうです。
たぶん紫外域も(コーティングによりますが)通してますが、これはピントの位置がずれてるかも。
石英ガラスと蛍石は、いずれも 200nm 近くから透明ですから。
デジタルカメラではローパスでカットされてしまいますので、紫外域の写真を撮るにはローパスを取っ払わなければなりません。
私はそこまでしませんけど。
そもそも M42 マウントだから、ニコンカメラでは無限遠が出ないんです。


ウェブの情報では「昨今のアポクロマート望遠に比べると写りが悪い」とありますが、当然です。
特殊用途レンズですから。
これは赤外透過フィルターを使って盗撮したりとか、分光特性を調べたりとかするためのものです。
ゴルゴ13と将棋を指して、「このヘタクソ!」となじるようなものです。