水からの伝言リターンズ
まだそんな話が残っているとは思いませんでした。
化けの皮はとうにはがれたと思ってたのですが。
あの本を信じている人は、自分で観察したり、思考したり、仮説を立てたり、その仮説を立証できるような計画が立てられない方です。
それは人間にとって生きていくのに必要なバイタリティ。
めんどくさいですが、思考を他人任せにせず、自分で理解できるまで何度もしつこく考える手法を学びましょう。
それは決して無駄にはなりません。
人生を味わう礎になります。
科学ってのは、そんなに高尚なものではなく、ご飯を食べる箸と同じ。
考える道具です。もともとは哲学の一分野です。
水が気相状態から結晶化する際に、ものすごくさまざまな形状の結晶に成長することを写真で示したのは以前に紹介したベントレーです。
それを実験で再現し、結晶化条件と結晶の形(晶癖)の相関を示したのが中谷宇吉郎でした。
この、重要で、かつものすごく手間のかかる、世界に誇れる実験を無視して、なぜ「水からの伝言」を鵜呑みにしなければならないのか。
もし暇があったら、冷凍庫に成長している(なんの言葉もかけていない)霜を融かさないように観察してみてくださいよ。
美しい六回の対称を持ち、場所によってころころと結晶の形が変わる水を見ることができます。
それを丁寧に観察し、「なんでなのかな?」と考えたとき、「水からの伝言」のまやかしから霜が融けるより早く抜け出せると思いますけど。