水に溶けるケイ素化合物

相変わらず、「水溶性ケイ素」でこの日記にくる人が多いですね。
例のケイ酸ナトリウムの話だと思うんですが。
そんな何百年も前のネタに今さら騙される人がいるのが謎です。
二酸化ケイ素(石英、自形結晶が水晶)をアルカリと強加熱すると、水によく溶けるシリカの多価アニオン種ができます。
アルカリと二酸化ケイ素の配合比によってできる成分にばらつきがありますが、これをケイ酸ナトリウムと言います。
細かく言うと、構造と価数によっていろいろなポリアニオンがあります。
水に溶け、強アルカリ性の溶液となります。この濃厚水溶液を水ガラスといいます。
酸で中和すると、バラバラになったケイ酸イオンが脱水縮合しながらネットワークを形成します。
これがシリカゲルです。
そんな感じで、大昔から水に溶けるケイ素化合物は知られています。他にもありますよ、フルオロケイ酸塩とか。
これがウェブにあるような薬効を示すかどうかってのは悪魔の証明になっちゃうんですが、およそ根拠があるとは思えません。
アルカリ溶液ですから、酸で痛みを生ずるような虫さされにはいいでしょうけど。
それなら重曹でも使った方がよほど安いでしょう。
ちなみに、ケイ酸ナトリウムって、500g買っても1000円しないような価格です。試薬グレードで。
これの 0.1% ぐらいの水溶液が件の「水溶性ケイ素」みたいです。
売り手が学会発表でそう発表しているんだから、そうなんでしょ。


んな胡散臭い水商売にお金をつぎ込むより、家族みんなで食卓を囲んで、美味しいものを食べる方がよっぽど健康にいいって!
マジですマジ。


最近みつけたもの。
http://www.food-stadium.com/headline/1166/

純度99.7%の水晶には、様々な天然効果が科学的に証明されており、その一つが浄化作用だ。食材の臭みや不純物質を分解除去するデトックス効果により、鍋に灰汁(あく)が出ず、健康的で安心・安全、食材もえぐみが残らず優しい味わいになる。熱した水晶から発生する遠赤外線により、食材を芯からふっくら調理でき、高い保温効果もある。さらに、調理中に大量のマイナスイオンも発生するのも嬉しい。

伝聞調で「〜とされている」なら苦笑いして読みますが、「科学的に証明されており」はダメです。
それを似非科学といいます。
科学っぽく嘘をついているのですね。それわ。