なにがなんでも!きのこが好き
- 作者: 小林路子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 1998/08/01
- メディア: 単行本
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しばらくツンドクしてしまった本なんですが、面白かったです。
著者はきのこが好きで、ずっときのこに関係した絵やイラストを書き続けている方なのですが、きのこにハマったきっかけ、きのこに対するその熱い思いがイラストとともに楽しく書かれています。
10年来ずっときのこの絵を書き続けられているそうですが、学者さんやきのこのプロとともに行動して絵を書き続け、観察眼は半端ではなさそう。「仙人」と呼ばれているそうです。
歯切れがよく、エピソードを読んでいてワクワク。絵描きの視点というのが新鮮。
章立ては以下の通り
- きのこってなんだ!
- 初めてのきのこ採り
- 都会派きのこハンターの孤独
- 山できのこを採るのには
- やっぱりきのこ採りは最高!
- "正しい"きのこ料理
- きのこ中毒のコワーイ話
- きのこを飼う
- きのこグッズはいかが
ちょこっと引用。ここダイジなとこ。
地方で伝統的にきのこを採っている人々は、先祖伝来、教えられてきた数種のきのこしか採らない。それは実生活にきのこを利用してきた人達の生活の知恵だろう。自信のあるきのこしか食べない、それが鉄則だ。
私はきのこに関しては完璧にずぶの素人で、ほとんど何もわからず、採って食べるときは出先でたまたま出会ったきのこハンターからお墨付きを頂いた時か、確実に自分でもわかるものが大量に生えている時ぐらいしか手をつけないんですが。
で、いつもいつも、id:kinkinkinokinoさんのような「きのこに明るい人がうらやましい」と思います。
しかし、これは鉱物の同定眼と同じで、多くのアドバイザーに教授を受けながら、日々鍛錬しないと身に付かないものなんですよね。
鉱物の同定は、仕事柄、時間をかければどんなものでも種名を決定することができます。
たとえ、未知の鉱物でも、検討の俎上に乗せることは難しくありません。物質科学が専門ですから。
しかし、きのこはよくわかりません。調べる方法がわからないのです。
肉眼鑑定の技術、種名同定のツボが身に付かないんですね。
なので、きのこは私にとってはいつまでたっても未踏領域。
踏み入れたいけど踏み込めない、禁断の果実なのです。