書を捨てよ、島に行こう!

無人島が呼んでいる―ニッポンの秘島めぐり〈4〉 (おもしろ選書)

無人島が呼んでいる―ニッポンの秘島めぐり〈4〉 (おもしろ選書)


歴史的資料としてもよし。出かける際の下調べとしてもよし。
筆者が回った昭和30年代の「無人化前の」写真が貴重。
海驢島、大久野島端島硫黄鳥島がいいですね。


過疎のため、仕事が無くなったため、住民の高齢化のため。
いろいろな理由で、小さな島から人がいなくなり、無人島になります。
これは、内地で「引っ越ししました」という類いの感情整理ではありません。
生まれ故郷を捨てて、歴史を断絶させてしまうことです。

「ただ島の場合は、自分の生まれた、育った世界が、そのまま丸っきり消えてなくなるんと同じだから、あわれだー、あわれだよねー」


救われない感情、断腸の思いで、人は島を捨てます。捨てざるを得ないのです。


人がいないはずの無人島に、船をチャーターして行ってみたら、若い人が生活してたとか、島にはミステリーが多いようで。
そうそう。そうなんですよ。まぢで。
海岸沿いをカヤックで周ると、「え???」と思うことはよくあります。
事実は小説より奇なり。
父島のジョンビーチに行く山道で、土からちょこっと出ててみんなが踏んでたあの鉄板、実は450キロ爆弾の信管付き不発弾だったって話*1書きましたっけ?


島というのはとても小さなコミューンで、その中で完全に完結されている閉じた系です。
小笠原などはホントにそうです。開いているのはおがさわら丸が持ってくるものだけ。
いいところも悪いところもあるんですけど。
このノリに付いていけないと退屈します。

*1:書いてありませんでした。父島のブタ海岸からジョンビーチまで行く海岸沿いの山道のある場所に、ずっと鉄板が30cm角ぐらいで出ているところがあったのです。みんなそれを踏んで島の南に行ってました。しかしそれは埋没した大戦中の不発弾だったということがわかり、信管も付いていたのですが安全に外すことができず、ちょっと前に自衛隊が爆破処理したと聞きました。私が踏んだときに爆発しなくてよかったです。