銀塩が凋落し、デジタル全盛のご時分になりましたが、やっぱり銀塩には追いついていないんですよね。
ミニコピーは1本数百円で買えますが、あの解像はデジタルでは不可能。
解像はつきつめれば分子や原子の光反応と自己集合を利用するしかありません。
フォトリソグラフィーはまさにそうです。
階調のダイナミックレンジも、銀塩の敵ではありません。
利便性とランニングコストの低さがデジタルの強みです。
私は、貧乏人なのでデジタル一眼のボディを使っていますが、お金があれば銀塩にしたいですよ。
深度合成でデジタルデータを扱う必要があるのと、写真を撮影しながら光の回りをチェックし、そのフィードバックでシャッターを切っているので、デジタルが便利なのです。これは銀塩には困難。
それは、高倍率マクロでは避けられない関門です。


東京芝浦電気では、ハードディスク表面に、高分子ブロック共重合体の相分離/自己組織化を利用した製品を投入してきました。
こんな細かい加工は、もはや化学の力を借りないと無理なのです。
カメラの領域も、最後の最後は、受光素子は化学の手法で作り、あるいは分子の光励起を利用し、データ取り出しを物理的に行う「化学ーデジタル混合方式」がやってくるものだと思われます。
微細さを詰めれば、そこは分子の領域なのですから。
ナノテク、ナノテクって言いますが、分子は大昔からその一桁下、Åなんです。