カメラマンのための写真レンズの科学

カメラマンのための写真レンズの科学

カメラマンのための写真レンズの科学

愛すべき吉田正太郎本。わたしがまだチェリーなボーイのころから、センセの本にはお世話になっております。
なぜか買いそびれて、やっと読めました。



ちっとも撮影には役に立たない、収差論とレンズ開発の歴史が、多くの歴史的レンズの紹介とともにあげられています。
ホントにカメラマンには役に立たないです。
ペッツファールレンズ、クークトリプレット、テッサーからスタートした各社のレンズ設計を、豊富な構成図と収差曲線で説明した唯一無二の良書。完全マニア向け。


ただし、マクロレンズが、UMN 30mm だけなんですよね。Micro Nikkor 55/3.5 ぐらい出してくれたっていいのにさ。



(メモ)プラナー、ビオターは商標名。同じ名前で様々な構成設計のレンズが存在する。レンズ主点の前後に対称になるように四枚の準メニスクレンズを配置し、そのうち2群、3群が張合レンズのものを「ガウス型」と呼ぶ。ちなみに2群のみが張合のものが「クセノタール型」(シュナイダー社、G. クレムトの設計)。1群4群が張合のものは「オルソメタール型」(ツアイス社、G. メルテの設計)。オルソメタール型は像の歪曲を補正するのに向く。