リトライ

斜開銅鉱
clino


写真幅 1.8mm。ここまでくると結晶が目で見えないです。
UMN28mm のクロップ。私の腕ではこれ以上シャープに撮れません。


サイズですと、この写真の横幅いっぱいが穴虫のサファイアぐらいだと思ってください。


2年ちょっとかけてマクロ写真の技術を少しずつ勉強し、小さいものの撮影を練習しました。
もはや、鉱物標本には、そんなに大きなサイズを求めなくなりました。
20 cm の単結晶は、確かに写真撮影が楽なんですが、そんなに大きくなくてもいいです。
それよりも、2 cm の結晶で完璧なものがあれば、結晶の世界の神秘さを写せる確率がグンと増えます。
結晶のサイズと個数の関係は指数関数の相関があり、ちいさなものはいっぱい転がっているからです。
神が細部に宿る確率も、その相関に従っているのでしょう。


でもね、たまにあるのね。
びっくりするほどでかくて完璧な結晶標本が。
産地に相当通い詰めるか、大金で購入するしか入手の手だてがないんですけど。
私にはその時間がありませんし、お金も持っていません。
どこかで、自分の物欲の青天井加減をセーブし、しきい値を設けないと、不幸を招きます。
鉱物標本は現物という点では写真とは比較にならない情報を持ちますが、誰にも見てもらえないのは寂しいもの。
見てもらえる、自分の見たものを伝えることができるという観点からは、ウェブ上の写真の方が有利ですよね。
今の撮影機材では、幅 1cm の撮影幅なら、D3 の 4200ピクセルをぎりぎり完全解像できます。
幅 1cm の中に鉱物界の深淵が詰まっている標本がゲットできたら、それ以上は望まないことにしましょうかね。