あらいもの

有機合成系のガラス器具の洗い物なんですが、「水をはじかなくなるまで洗浄する」という昔の話が出てきたのにびっくりしました。
まあ、確かに清浄表面で、ガラス本来の表面水酸基が残っていればそうなるんですけど、手洗でそこまでやるのは時間の無駄。
普通は苛性アルカリ水溶液かアルカリ溶液に漬けて、表面のプレーティングをはがしますわな。
やりすぎるとガラスが溶けてすりガラスになっちゃうんで要注意。


用途によって洗い方の厳密度を変え、最適の手間にしましょう。
微量元素分析と、有機合成でのガラス器具の洗い方が同じはずないんです。


アルカリバスによるアルカリ金属汚染があるかと思って調べてみたんですが、アルカリバス一晩ドブ漬け+水洗+アセトン乾燥ですと、アルカリ分(私は苛性カリを使ってます)はガラスには意外と残らなくて、その中にサンプルを入れても 1ppm もカリウムは溶け出しません。
ステンレス製スパチュラによる金属汚染の方がよほどひどくて、半固体をちょこっと引っかいて出すだけで、鉄、クロム、ニッケルが 5ppm 内外は簡単に溶出します。
洗剤を使ってゴシゴシ洗ったときの界面活性剤汚染は、データは取ったことはありませんが、かなりのものでしょう。
だって、みんなゆすぎ洗いしてないんだもん。