星降る夜に

NH4Cl
やけにフラクタルな堆積物。
フラスコを浮遊する小宇宙。


塩化アンモニウムの熱飽和水溶液は過飽和になりやすく、放置すると人肌程度に温度が下がってから、樹枝状の結晶がバラバラ降ってきます。
雪が降るみたいで楽しいんですよ。
微細な結晶核が巻き上げられ、これが沈降時に成長して、天上から雪が降っているのを眺めているみたいで。
30分ぐらいは降っています。


これ、下にクリスマスっぽいチビオーナメントを用意して、これに降らせたら、売れるだろうなーって思ったりして。


塩化アンモニウムは天然にも出てきます。火山の噴気孔などにいっぱい昇華するらしいです。
Sal ammoniac(アンモンの塩)というのですが、水に溶け、ちょこっと吸湿性があるので、鉱物マニアには歓迎されません。
塩安として肥料用に大量に生産消費されます。硫安と同じで土壌を酸性にしちゃうんですけれども。
ガチガチに固まるので肥料としては使いづらいのかな。


立方晶、空間群 Pm3m で、樹枝状の結晶は、正八面体の頂点方向に大枝が向いています(大枝は6本)。
原点まわりの xyz 座標軸に小枝が生えてるって表現のほうがわかりやすいですかね?
nh4cl_3


(メモ)上は Nikon Macro Nikkor 12cm F6.3 (ap. = 5)/Multiphot/D3
円筒ガラス容器中に浮遊する結晶の写真を撮るのはものすごく難しいってのがわかりました。
ガラスの球面収差で、ピントがこないのよ。シャープにならないし、奥行きはあるし、しかも動き回るという三重苦。
下は Macro Nikkor 65mm (ap = 4) で。L39 マクロニッコール好き♪