あ、くまのレンズ

沼さらしをしてしまいます。
Carl Zeiss の銘マクロレンズ、S-Orthoplanar 50mm F4 が兄貴と共にウチの沼にやってきました!
S_Orthoplanar_50_60
イヤッホゥ!これ欲しかったのよ。


S-Orthoplanar シリーズ(50, 60, 105mm)はもともと、マイクロリソグラフィー用に開発された超高解像力レンズです。
その解像力と残存収差のなさが売り物。
そのため、マイクロコピーや、引き伸ばしの決定打的キメ玉とされてきました。
マクロマニアならみんな好きなレンズです。
スーパードクターだってこいつが大好きですもん。
すでに伝説入りしているので取引値が高く、よほどのマニアでない限り購入できない価格です。
おととしに eBay に出た箱入りの 50mm は US$5000 行っちゃいましたからね。とんでもねーな。
即決 US$2000 が何度も消えていったのを見ています。そういう狂った世界です。


基本設計はオルソメター。オルソメターは歪曲の少ない設計にしやすいのですが、さらに収差補正状況を改善するために、前後に1枚ずつレンズを足した6群8枚設計です(60mm だけは5群7枚)。
その軸上の解像度は 400lpm 近くあります。しかも補正は可視領域全域に渡ります。
カリッカリのモンスターレンズなのです。
基準倍率は1/15倍。低倍率玉なので遠景でもよく写りますし、イメージサークルもあります。
マウントに苦戦中。


伝説の引き伸ばし(写真製版)レンズは3種あり、一つは Nikon Apo-EL-Nikkor の3本組、もう一つは S-Orthoplanar の3本組、最後のは漢のレンズ S-Biogon 40mm なんですが、最後のものは使いづらいことこの上無し!
固定絞りで、しかもバックフォーカスが異常に短く、フロントスレッドがなく、かつ周辺減光が著しいという四重苦。
防湿庫の肥やしにしてしまってますが、何か?
Apo-EL が一番使いやすいのでしょうね。105mm なら普通に無限遠まで出せるし、L39 はアダプターも容易に入手可能。
こいつは気長に待ちます。どっかにオレに釣られるのを待っているのがいるよきっと。


状態いいです。ほとんどミント品。
ドイツのある業者が、レプロ機にくっついていたのものを隠し持っていたのを「いいから出せ」って出させました。
50mm は珍しいです。年に数本電子湾に出てくるのはだいたい 60mm。
60mm もきれいです。後玉に傷のあるボロ玉は持っていましたが、今回のはピカピカ!
使うのがもったいないぐらいです。
この2本、このコンディションのものは資産的価値があります。
さて、残る1本の S-Orthoplanar は 105mm なんですが、これはやめときます。
一番レアな Orthoplanar で、そう簡単に市場に流れず、出てくると恐ろしい価格に跳ね上がるからです。
私の用途だと、100mm クラスの玉は基準倍率等倍が一番使いやすいので。


この変態レンズをうらやましいと思う人は廃人です。