2010-02-05 寓話 つれづれ 私のいるのはここじゃない。 私のこころは、もうここにはいない。 さびしい野山を歩いている。 旅人はそそくさとわらじをはいて、 自分のこころを追いかけるように、その家をあとにした。 旅人はまた旅をしていった、 また別の灯が見えるまで。 なんとさびしいことだろう。 かれはとどまることもなく旅をしていた。 この旅人はだれだと思う。 かれは今でもそこらじゅうにいる。 そこらじゅうに、いっぱいいる。 きみたちも大きくなると、 ひとりひとりが旅をしなきゃならない。 旅人にならなきゃならない。