スズ樹

でかい結晶が育ったので引き上げてみます。
レース状の結晶は繊細すぎて、自重にすら耐えることができません。
レース状の結晶は、おとといのものです。
http://d.hatena.ne.jp/doublet/20100219#p4
溶液中で浮力の助けを借りてかろうじて形を保っているだけの、フラクタルなレース。
もうちょっと育てると、引き上げに耐える強度まで育ちますが、ガッシリしてしまい、ちょっと寂しいです。


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濃度次第では、レースにならずに薄い薄い板状の結晶になります。
これ、ペラペラで、自分の重さでたわみます。
触ったらぐちゃぐちゃになります。単結晶のスズ箔。
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ここまで育つとやっと (111) 面が見えてきます。エッジを囲んでいる斜面です。
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ごつい感じ。


ところが、同じ条件で成長させているにもかかわらず、c軸方向に非常に伸びた針状の結晶もたまに出てきます。
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多形ってわけではなく、晶癖なのです。
c軸が全く伸びない板状結晶と、c軸しか伸びない針状結晶が同居し、たまに針状結晶と板状結晶が平行連晶になります。
なぜでしょう?考えてもわかりません。