バラバライト3

朝起きて寝ぼけながら採集準備。
朝食をコンビニで買って、菜の花畑を眺める。
いちめんなのはな。
nanohana
なかなかきれい。


そんなことをしてたら連絡が入ってきたので、待ち合わせ場所の道の駅に。
合流。
立派な鉱物標本をいくつも貰ってしまった。嬉しい。
写真撮影用の標本をいくつか借りる。チーバイトも。
スーパーに行ってお昼を調達。
イルカ肉が売っているのがいいね。


地主のところに採集許可を貰いに行く。
地主さんと、近所の土建屋さんと話して、界隈の銅鉱山の情報を伺う。
向かいの山の竹やぶの上辺りに、昔掘った銅鉱山の坑道があり、多くの縦坑があるらしい。
子供は危ないのでその山に行くなと言われていたのだそうで。
集落の民家の基礎がやけにしっかりした造りで、どうも選鉱までしていて、その際に打ったコンクリ建造物を流用しているらしい。
藪が絡まっているのは、円形の水槽だというのでどうもシックナーっぽい。
このサイズだと、最低でも鉱量1000tは処理してるよなあ。
建造物が藪に潜って眠っているのは、ラピュタを想像させる。
地主さんに酒を渡したが、地主さんは酒をたしなまず、しかもポンカンまで貰ってしまったので、逆に気を遣わせてしまった。
銅鉱山はまた今度探索予定(とか前回も言ってたよなぁ)。


金鉱山跡にみんなで向かう。
昨日残してきたハシゴが坑内にあるので、これを使って高さ3mのところの脈を押す。
が、ガマが開かない。
どうも見るに、3つぐらいの出方があるらしい。

  • 母岩がグチャグチャに破砕され、これを灰色の細粒石英がネットワーク上に充填し、この間隙にバライトの結晶が様良く乗るタイプ。このタイプは美麗だが結晶が薄く、なかなか大きく育たない。
  • もう一つは、バライトだけが完全に脈を充填しているタイプ。盤際に結晶が付いているのが採れることもあるが基本的には分離結晶。そしてバラバラになってしまい、にごっているものが多い。
  • 最後に、バライトだけの脈の一部分に大きな晶洞が出来、この中で育っているタイプ。結晶の大きさは4cmぐらいが最大。三方向に結晶面が育ち、きれいな結晶もある。しかし母岩からは外れてしまうことがほとんど。鉛の二次鉱物が結晶上に乗ることもある。


狙うのは最後のもの。
が、開かない開かない。
この産地では2つの大ガマ(20cmぐらい)を確認しているが、数メートル間隔で主脈延長に乗ってきている。
あきらめて、足場の高いところで、ちらほら出ている結晶を拾う。
そんなことをしてたら、いきなりハシゴがズボーっと水中に潜り、ひっくり返った。
水中の縦坑の脇にハシゴの足が乗っていて、これが滑って縦坑に落っこちたらしい。
ひやひや。
こんなの落っことしたら、回収できない。オレまで溺れちゃう。
中段には鉱山操業時の鑿跡が残っているが、手掘りに間違いない。よくここまで掘ったな。
土砂の中のバライトが雨水で洗われ、白い板状の結晶だけが多く散らばっている。すごくきれい。


坑口の上のガマを狙っていたらハシゴから落ち、完全にひっくり返って頭と足を打った。
気をつけよう。尖った石が下にあったら死んじゃう。メットかぶろう。


特に何かいいものが採集できたわけではなかったけど、みんなで一緒に行動するのは嬉しい。
今まで、オレは人と一緒に鉱物採集することがほとんどなかったから。