リン
白リン(古い言葉では黄リン)の結晶。こいつは撮影が難しいです。
そもそもアモルファスの状態が安定で、なかなか結晶になってくれません。
真空下では蒸気圧が高いので、封管を手で温めるだけで形が変わってしまいます。
しかも、真空をアルゴンで戻すと、アルゴンに含まれる酸素で色が変わってしまいます。いわゆる黄リンですね。
毒性もかなり高いです。しかも空気中で状況により燃えるというやっかい者。
皮膚を激しく侵し、しかもメチャクチャ痛く、かつ治りが遅いという地雷。
煙幕弾、焼夷弾などにも使われる、化学的特性を兵器利用される単体の一つです。
もう10年以上前、沖縄の海岸の隆起珊瑚礁で白リンが見つかり、「新鉱物かも」って話があったんですが、大戦中に兵器として使われた白リン弾由来かもしれんね、という意見もありました。
その後話を聞かないところを考えると、やはり白リン弾由来だったんでしょうね。
白リンは分子結晶で、P4 という正四面体分子よりなります。
立方晶系で、o (111) と a (100) よりなる、切頭八面体の結晶です。
これは、再挑戦予定。アイシャルリターン!