小さな小さな産地

全く無名の、小さな水晶産地をたずねた。
薮漕ぎ1時間の末、なんとか露頭に到着。
石英脈が縦横無尽に走り、小さなガマがあちこちに。
文献通りだ。
最大長3cmのものしか見つけられなかった。
これも資料と変わらない。
採集目的とするにはちと辛いか。
場所が見つかっただけ良しとするか。
この10年以上誰も来ていないようで、
ぐずぐずのガマに手を入れると、労せず水晶がとれるのが嬉しい。


麓に下りて酒屋で雑談をすると、すぐそこの橋のそばに
水晶が転がっているとのこと。


夕方だったので諦めた(しまった。朝聞けばよかった)。



次の日は、いつもの所で一日ハンマーを振るった。
強度に珪化された母岩で、メノーを割っているようだ。
6時間岩盤と格闘して、やっと結晶が転がり出してくる。


この、ガマが開く瞬間がたまらなく好きだ。
ちょこっと空洞が開き、中に粘土がつまっている。
揚げ物用菜ばしで探ると、すこし奥行きがありそう。
丁寧に間口を広げて、粘土を少しずつほじり出すと、
中から棒状のものが出てくる。
粘土を軍手でよく拭うと、きれいな水晶。
ガマを広げるとバラバラ転がり出してくる。
歓喜する心を押さえながら、チョコチョコ、ガジガジ、と棒で突いて夕方になる。


でも、ここは奥行き10cmで、行き止まりのプチガマでした。



追記。 数日前の箕(手箕)は、出先でプラスチック製のものを購入しました。
車の屋根に二つ付けたら、エアロになりました(笑)。