id:bintagire さんのブログを見ていたら、豊羽鉱山閉山のニュースがあってびっくり。
そうか、残念だなあ。


インジウム値上がりするかな。少し多めに買っておくか。
インジウムはいろいろな使い方があるけれど、オレがよく使うのは、低温用高真空装置のシール剤としての使用が多い。
インジウムって異常にやわらかくて、低温でも脆性が出ないので、真空装置の窓の隙間の金属パッキンとして、ワイヤーを使うことがある。
両手の親指の爪で挟むと、グニャーと伸びる変な金属。
高温だと流れ出しちゃうんで、使えないんだけどさ。


いじって飽きない金属といったら、やっぱり低融点金属かな。
ガリウムインジウム、水銀、セシウム
最後のセシウムは、空気中で火が出るので、手にとって遊ぶってわけにはいかないけど、
ガラス管に封入すると、体温で溶解する金色の金属で嬉しい。
なんかぞくぞくするんだな。


鉱物採集では、リチウムとセシウムは仲良しなんだけど、これってかなり意外。
一番軽いのと、一番重いのが一緒にいるって状況が信じられない。
ナトリウムとカリウムが人気が高いから、とり残されちゃうのかな。
長石関連の生成自由エネルギーを調べてみよう。


リチウムの反応性を最近調べて、ちょっと面白い結果が出た。
細かい粉末よりも、ハンマーで叩いてのばした箔状のリチウムの方が反応が速い。
どうも、ハンマーで叩いてのばすと、金属結晶の格子に無数の欠陥ができて、ここから反応が進んでいるらしい。
結晶成長と同じで、欠陥や転位が重要な要素のようだ。
当たり前といえば当たり前なんだけど、表面積は粉末の方がはるかに大きいので、かなりびっくりした。
というわけで、この間はめあいを作ったウシゴロシの石頭は、石を叩くよりリチウムを叩く頻度の方が多かったりする。
よく伸びるんだ、これが。


それでさらに思い出したが、某先生曰く「カリウムは手でちぎってフラスコに放り込むと良い」らしい。
ナイフで切ると硬いチーズ並の硬さなのだが、手でちぎると汗の湿気と反応して発熱してやわらかくなり、指でちぎることができるようだ(笑)。
まあ確かに、ある種のメタル化反応は、カリウム+触媒量のカリウムアルコキシドの組み合わせが効果があることもある。
ジブロモアダマンタンカリウムで還元してデヒドロアダマンタンを合成するときに、わずかにカリウムブトキシドを混ぜるっていうのはそのタイプだろう。
スーパーベースみたいのができているのかな。
だから、手垢とカリウムが反応して、少量がアルコキシドっぽくなっているのだろう。
しかし、そんな恐ろしいことはオレにはできない。
絶対に真似しないようにね。