タラの芽

代表的な山菜であるタラの木は、切り出して水はけのよい土に挿しておくと挿し木ができる。
田舎の日当たりのいい畑に、一列になって植えてあるタラの木はそうやってつくる。
んで、これがポイントなんだけど、ある村のじい様が言うには、「木の途中で切ると、元の木が枯れる」んだそうだ。
根元から切れ、ということらしい。


力のある木なら、春に芽を摘んでも枯れない。また新しい芽が出てくる。
根元から鉈でバッサリ切っても、新しい芽が生え、幹ができる。
ところが、木の途中から無理矢理折ると、木が腐って枯れてしまうようだ。
理由は不明。


根元からばっさり鉈で切るのを推奨しているわけではないんだが、素人のやる中途半端ってのが、この系では一番よくない。
ただし、地元民がすべて「正しい」採り方をするとも限らないし、都会ものがみんな乱獲するというわけでもない。
どこにでも、想像力の足りない人はいるものだ。
しかし、地元の人は、どうやったら次の年にも収穫できるかを経験で知っている。
この差は大きい。


ミズやコゴミやフキ*1なんかとは違って、タラの芽を摘むと、木の成長に大きくブレーキがかかる(場合によっては枯れる)ってのがわからないとね。
あいつは成長点がすくないんだ。
切り開いたところにすぐに生えてくる雑木とはいえ、やさしくしてやろう。


オレは、2週間ほどたったら、ある鉱山のそばの沢にタラの芽を採りに行く予定。
力のある木が多く、麓からもかなり離れていて、近隣の地理に明るくないとたどり着けない。
地元とも楽しくやれる、とても気持ちのいいところだ。

*1:いずれも、根っこさえ残っていれば復活する