臭い

doublet2005-11-08

最近、シュラフで寝ることが多く、シュラフシュラフ臭く」なってきた。
オレに取ってはなつかしいにおい。
決していいにおいではない*1が、この臭いを嗅ぐと子供の頃を思い出す。
オヤジと一緒に毎週のように山に行った頃のこと。
疲労困憊で動くことができずビバークして泥のように眠った時のこと。


臭いは決して言葉では表現できない。
臭いとともに、過去の記憶を鮮烈に思い出すことができる。
その鮮烈さは、視覚などよりはるかに強い。


が、やっぱり臭いものは臭い。
誰だよ!スワン酸化の廃液*2をそのまま放置しているヤツは(怒)!
トリフルオロメタンチオールと共に、この臭いを嗅ぐと憤りを感じる。


そういえば、昨日はガマの中にカメムシが冬眠していて、ほじくったら臭くてクラクラした。
以前、カメムシの臭いはオレフィン臭と書いたが、正確には trans-2-ヘキセナール(青葉アルデヒド)のような共役不飽和アルデヒド群らしい。
二重結合は臭い。共役するとなぜかさらに臭くなる。気持ち悪くなる。
カメムシ目の臭いに関しては、IUPAC *3命名のできる人には東北大農による以下のページが面白いかも。
http://www.bios.tohoku.ac.jp/insect/ibrdb/Hemiptera/l_hemiptera.html
多成分で、臭いに関与しているのは、不飽和アルデヒド、飽和アルデヒド、カルボン酸およびそのエステル、ある種のテルペン類が原因だということがわかる。
絶妙な比で混ざり合った魅惑的なフレグランスなんだろうな。
悪臭はだいたい前から3つだろう。
もしかすると臭いでカメムシの種名がわかるのかな。
人間の加齢臭もまた共役不飽和アルデヒドだという報告もあったので、カメムシとオヤジはアナローグだということになる。
http://www.shiseido.co.jp/s9604let/html/let0019t.htm


シュラフの臭いはオヤジ臭ではない。断じて違う!
オレからオヤジ臭がするはずがない!(←いや、それは悪あがきだろうて)
羽毛に由来するのかなあ。

*1:ひなたぼっこした猫の臭いに似ている。

*2:タクワンの臭い。臭いの成分はジメチルスルフィドがほとんど。

*3:IUPAC といえば、M 先生の話もありましたね。http://www.csj.jp/news/matsumoto-iupac.html