泥湯で硫化水素中毒があったのを知る。
しばらくネット環境、ニュースから遠ざかっていたからなあ。
硫化水素中毒は、低濃度では腐乱臭だが、高濃度ではにおいを感じなくなり、それ以上濃度があがると瞬時に倒れるらしい。
昔は化学の湿式定性分析で硫化水素をよく使ったのだが、キップの装置を放り込んでいたドラフトの中に頭を突っ込んで卒倒した人がいるという話を先生から聞いたことがある。
以前、高女のスキー部の学生さんと引率の先生が、万座でスキー中にくぼ地に溜まった硫化水素にやられたことがあった。
あの時は、瞬時にひっくり返ったらしいという話だった。


オレは、酢酸鉛水溶液*1を含ませた手ぬぐいで顔を覆って殺生河原の噴気孔から昇華硫黄を採集したことがあるが、今考えれば恐ろしい話だ。
手ぬぐいは茶色く染まり、なかなか色が落ちなかった。
しかも昇華硫黄は脆くて、家に帰ったらバラバラになってしまった。
この間殺生河原を通ったら、昔は眺められた場所が今は車を止めてもいけないらしい。
一度、湯釜にカヌーを出して、対岸の噴気孔を見てみたいが、どう考えても危ないなあ。
pH 1 の酸性水に、船体布やアルミフレームが耐えられるのか?だめだろうな。

*1:硫化水素と鋭敏に反応して硫化鉛の褐色の沈殿を生じる。劇薬なのだが、なめると甘い。