某所でガラス細工の話になる。
「昨今の若い衆には絶対負けん」という意見がもうおじさんだな。反省。
金を払ってプロに作らせるか、時間を割いて自分でやるか。
オレは自分でやる主義だ。
高効率化くそくらえだ。
「実験科学者が手間を惜しんでどうする!」とは先輩の弁。
まったくその通りだと思う。
オレはメチャクチャ安いものか、炉が無いと歪が抜けないものか、自分の腕でできないものでなければ自分で作る。


ガラス細工して体に身につけた技術は、決して無駄にはならない。
どの器具が値段が張るか、どういう部位にひずみが残りやすいか、どういう図面が職人に作ってもらえるのか。細工をすればすんなりわかる。
細工しないとわからないらしい。
真っ二つに割れたフラスコを職人さんの所にもってっちゃう学生さんがいる。
直るわけないだろ。どうやって直せというのだ。


だが、「一日一時間ガラス細工の練習して、一時間遅く家に帰れ」とは学生に言えないしなあ。
「その時間で新しい反応をしたほうがまし」って言われちゃうとそれまでなんだが、そういうことを言うヤツに限って新しい反応をするわけでもない。


最近のガラス屋もへたくそで、星の入ったフラスコの修理を受けないところがあるという話を後輩から聞いた*1
そういうところは「ダメでもともとでお願いします」って依頼しても直してくんないんだよな。


そ ん な ガ ラ ス 屋 は つ ぶ れ ち ま え


某ガラス屋は底の抜けたフラスコに肉を盛って吹き直したというのに*2

*1:日本の理化学ガラス細工は川村禄太郎が東京でドイツから輸入した器具の破損分を修理したところから始まる。修理ができずにまともな器具が作れるはずがない。部品在庫が必要なわけじゃあるまいし。

*2:アニールが不十分だと酷い歪が残る。