行商専用車って、まだあるんですね。
こうやって、乾物や野菜や魚が人の背に乗って東京に送られていたんですよ。ちょっと前まで。


15年前までは、学校に出入りのガラス屋さんが来ると、割れたフラスコを見せました。
半損の場合はもちろん引き取ってもらって修理してもらうのですが、全損でも、実物を渡すと市価の半額で新しいものを作ってもらえました。
そんな人のよい商売ばかりしてたものだから、野村さんは店を畳んじゃったわけですが、作る人と使う人の交流があり、今でもいい思い出です。
今でも野村さんに吹いてもらったフラスコを使っています。
厚すぎず薄すぎず、ちょうどいい肉厚で、手にしっくりなじみます*1


じゃあ、今ではそういうコミュニケーションが無くなってしまったかと言うとそうでもなくて、たとえば三共と石井商会*2みたいに、お得意様なら OK らしいです。

*1:どっかの会社のボテボテの肉厚の重いナスフラスコや、加熱しただけで底が抜けてしまう三口フラスコや、ぺらぺらの偏肉のクソフラスコとは大違い。君らの会社にはもう二度と注文は出したくない。メーカー名は出さないけど。

*2:いしいしょうかい。東京の老舗理化学ガラスメーカー。国内に初めて共通摺り合わせガラス器具を生産供給した会社。ゲージは国内にいくつも入っていたらしいが、最初にきちんとした共通ズリを作れたのはこの会社だったらしい。現在でも、カタログを見ると特殊なガラス器具がいっぱいラインナップしてあって、ガラスオタクの心をはげしくくすぐる。溶媒還流ヘッドの種類の多さは他のお店の比ではないだろう(たぶん受注生産)。カタログを見るだけで面白い。