朝から学生に実験指導。
学生の実験手法を観察する。
どうも、研究室に古くから伝わる根拠の無い迷信や、意味の無い操作(おまじない)が多くて困る。
そういうものが多く垣間見られる。
そういう操作をすることによって何かしらのメリットがあればいいのだが、百害あるようなものばかり。
自分で考えて実験する癖を学生さんに付けさせなければならないなあ。
くだらん迷信は、オレが一蹴してくれる。
ブランクを取るか、比較実験すれば一発だ。


その合間に自分の実験。
反応性アニオンの対カチオンに配位している溶媒分子の微量の有無が、反応性を大きく変化させるものらしい。
60度で半日以上高真空にしないと飛んでいかない。
こいつは溶媒を抜くと、空気との接触によりすぐ火を出す化学種なので、困ったものだ。


おじいの実験室を見る。
アングルを組もうと思ったら、実験台に穴を開けるなという。
そりゃ無理な話だ。
クランプで挟むほど机の端にゆとりもないし。
かごを組むか、くそみたいに重たい金属のベースが無けりゃダメだよ。
じゃ、またあとで(と仕事を投げる)。


今まで、学生さんの実験室とは別のところに自分専用の実験室を確保していたのだが、学生さんが「実験をたくさん教えて欲しいので、(オレの)実験室に移動してもいいですか?」と言ってきた。
まじめな奴だな。
「オレのいる実験室には何も無いからすべて自分でやらなければならないし、オレは厳しいぞ」と言っても、やはり来たいのだそうだ。
彼は、今まで丁寧な指導をあまり受けられなかったようで、研究に対して欲求不満がたまっていたのかも知れない。
やる気のある奴には悪いことは言えないので、そのように手配した。
しかし、オレは強度のサディストだぞ。
それを知っているのか?


夜になって、周期表をどのように覚えるかの語呂合わせが、シモネタのみではないということを教わった。
ふむふむ。
そんなあほ話をしていたら、そのうち、女子学生さんが「ご飯をおごってください」と言ってきた。
オレにオセロで買ったらいくらでもおごってやる。