オープンキャンパス

朝から中高生と話をしていました。
まずは結晶化から。
昨今の中高生はほとんど化学実験をやらせてもらえないそうなので、試薬をスパチュラですくい出すのもおっかなびっくりでした。
溶媒の量も、なかなか苦戦していました。
それでもなんとか、四種の試料の結晶化までこぎつけました。
比較的きれいな結晶ができる試料を厳選していますので、当然美しい結晶が育ち、顕微鏡で観察させると喜んでもらえました。
よかったです。


二人ほどおかしな人が混じっていました。
「研究費は足りていますか」とか、聞いてくるんですよ。


よ け い な お せ わ だ


とも言えないので、「君がうちの大学に来てくれれば、少し増えるんですがね」と逆襲。
高校生の発言にカリカリしてもしょうがありませんし。
彼は私が学部生と話していると、「ストリキニーネで殺しちゃえ」とか言ってきます。
どうも毒物好きなのかもしれません。
コンピュータの前に座らせると、2ちゃんねるにアクセスしだしました。
ねらーですかそうですか。


女子高生は、私の机の横の「一家に一枚周期表」の語呂合わせの覚え方で盛り上がっています。
どうやって覚えるんだろう、と気になっていたのですが、いたって健康的で、エロでないものでした。
男の子と女の子は覚え方が違うんですね。当たり前ですけど。
女子高生が「日活ポルノ明日サービス日」とか言ってたらビビりますよね。
少しはそれを期待してなくもなかったことを申し添えておきます。


午後は回折実験の説明です。
実際に構造解析まで行います。
ただし、回折計の調子が悪いので、反射データを取るわけではありません。
「こちらに出来上がりがございます」という3分クッキング流です。
それでも、ベンゼン環が平面だとか、炭素が生四面体構造だということは理解してもらえたようです。


本当なら、結晶化させた試料を持って帰ってもらってほしいのですが、試薬なのでそうもいかず、毎年の恒例として水晶を配布します。
「気に入ったのを好きなだけ持って行ってもよい」というと、男の子がわらわらとたかってきます。
後ろの女の子は手を出したいのですが、男の子に阻まれ、そうもいかないようです。
きれいな水晶を手のひらいっぱい持っていこうと粘っていたのは、例の彼です。
彼をどかせ、女の子にも持っていってもらいます。
だいぶ気に入ってもらえたようです。


で、最後の最後にアンケートを書かせました。
大多数の人は「楽しかった」「勉強になった」「研究したい」というコメントがきました。
が、一人、「指導の手際が悪い&オドオドしている*1」という意見。
例の彼です。


*1:どうも修士の学生さんに対してらしい