新日鉄八幡の火勢弱まる、生産活動に大きな影響なさそう

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20080730-OYS1T00500.htm


高炉休止に至らなくてなによりでした。


高炉は、ちょっとぐらい止めておいても大丈夫なのですが、長いこと止めると冷えてスラグや銑鉄が固まってしまいます。
もうそうなると停止再起動しかありません。
高炉の完全停止は

  1. 抜けるだけ出銑孔から銑鉄を抜く
  2. 水で冷やして温度を下げる
  3. 炉の一部をはがして入れるようにする
  4. 重機を炉に入れて、スラグをぶっ壊してかき出す
  5. 一緒に、断熱材の黒鉛レンガとコークスもかき出しちゃう
  6. 千トンを超える巨大な鉄の塊(残銑)を端からぶっ壊す

なんだそうですが、最後の残銑が大変らしいです。
なんていったって巨大な鉄の塊、重機ではビクともしません。
穿孔して、発破を何十キロも仕込んでぶっ壊すらしいんです。


で、完全に中身を抜いたら、炉材を戻して、下から断熱材を敷き、枕木で井桁を作り、コークス層を敷き、鉄鉱石を入れ…という下準備ののち、温度を上げて還元反応をスタートさせます。


鉄は需要量に基づいて作っていますので、止めたら供給先が大弱りになります。
だから製鉄業にとって、不慮の事故で高炉を止めるってのは超緊急事態。
絶対に起こしてはならない最悪のケースとも言えるでしょう。


高炉は、ノウハウの塊の超巨大反応装置なのです。