ぼくの円形絞り

eye


1.5-6mm ぐらいの間で無段階調節可能。
レンズは1群4枚。焦点距離は可変ですが約 15 mm ぐらい。
前から順番に、角膜 (n = 1.37) −前眼房 (n = 1.33) −(絞り)−水晶体 (n = 1.44) −硝子体 (n = 1.34) −(網膜)の構成です。

角膜で光を集光屈折させ、さらにこれを水晶体と呼ばれる屈折率の高いレンズで焦点を調整する役割をしますが、この両凸レンズは筋肉によって引き伸ばしできるので、曲率および焦点距離は自在に変えることが可能。
こいつの焦点距離を制御する筋肉がうまく働かなくなるのが近視と遠視です。
面白いのは、この水晶体、平均屈折率は 1.44 なんですが、屈折率が周囲から中心方向に向かって高くなっており、どうやらこれで球面収差の補正をしているらしいです。
いや、これ絶対色収差補正してるって。マジで。
アッベ数データがあれば光線追跡できるのにな。
しかも、筋肉で水晶体を引っ張ってるってコトは、ただの球面ではなく非球面になっているはずです。
棒を片方支持してもう片方は自由に撓ませると放物線に曲がりますよね。あれと同じ原理で。


ウェブ上で絵を探してみると、水晶体で屈折させる絵が大変多いのですが、これは間違いです。
屈折をつかさどるのは、主に角膜表面の曲率の高い r です。
イメージ的には、カメラレンズにズームのテレコンを付けたようなもので、メインは角膜、ズームのテレコンが水晶体に相当します。


で、歳をとると、この水晶体を引き伸ばしている筋肉が衰えて正確な焦点調節ができなくなり、水晶体の内部が濁り、角膜は傷つき、光の検出感度が低下します。
ある意味しょうがないです。50年も毎日使えばどんなレンズだってガタがきますよ。
およそ人間の体の耐用年数ってそのくらいに設定されているみたいです。
大事に使えば一生ものです*1。大事に使いましょう。


意外と眼の写真って撮るのが大変。

  • カメラは眼で撮るものなので、自分の眼を撮ることは著しく困難
  • 角膜は光源の光を反射させ、写り込んでしまう
  • 横から光を入れないと虹彩の糸っぽい組織がうまく出ない
  • 虹彩は平面ではない。しかも角膜で像が撓む
  • 強い光では、白目の反射光が角膜で乱反射してフレアを作る。しかもまぶしい
  • 眼はよく動くので、シャッタースピードを上げないとぶれる


というわけで、眼の写真を撮るにはモデルさんが欲しいです。
パッチリ開いて若くて血走ってない眼がいいな。


ちなみに、これ以上拡大するとホラーになります。鬼太郎のオヤジです。
eye2


こわいよー。


自分の眼の写真を撮りながら、その写真に夜な夜なうなされてしまうことでしょう。

*1:いや、大事に使わなくっても一生ものなんだけどさ