カルボナーラ

夕飯はカルボナーラ(spaghetti alla carbonara)。
carbo- は化学では「炭素の」という接頭語ですが、この場合は「炭焼き (carbonari)」から来ています。
炭は、中のブラックペッパーを比喩的に表現しています。
炭焼きがスパゲティを仕事の合い間に作ると、こんな感じで炭が混じって黒い粒が入るんじゃね?ってことらしいです。


carbonara


オレは炭焼きがこんなメンドクサイ(卵黄分離がだるい)料理は作らんと思うぞ。


で、デフォではベーコンのみなんですが、私はキノコを入れます。マイタケ好き♪
マイタケはけっこうクセがあるキノコですが、カルボナーラのコクと一騎打ちしてもどちらも負けないのです。


しかし、この超高カロリーメニュー、カロリー計算したらものすごいことになるんだろうなー。しないけど。


そして、議題はそれではなく、上に乗っている青菜なんです。
無色透明な丸い水泡がいっぱいくっついていて、キラキラ光るの。
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ちょっと前から市場に出てきた植物で、アイスプラントと呼ばれています。
ハマミズナ科ですよ!マジですか?
オレ、ハマミズナ科って喰ったことないっす。
学名では Mesembryanthemum crystallinum で、メセンの仲間です。


種名の crystallinum はもちろん、表皮上に乗った透明な細胞を水晶(結晶)になぞらえているんでしょうね。
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塩の多いところでも平気で育ち、塩を吸い上げるんだそうです。食べるとプチプチして、しょっぱいの。
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食べると確かにハマミズナ科の味がしました。
マツバギクってたぶん食べるとこういう味だろうね」って想像していたのそのままで。


佐賀で作っているらしいんですが、一パック 250円もしました。
もう次は買いません。
これを挿し木して、花を咲かせましょう。
こんな花が咲くらしいです。

超メセンっぽい花(マツバギクみたいなの)です。
ってことは寒さに強いのかな?


とにかくメセン類ってのは変わりもんが多いのですが、こいつはかなり際立って変わってます。
塩を吸い上げて育つってのも異常ですし、植物内でこの塩素分から塩化メチルを作っちゃったり*1
塩があるのとないのとで光合成様式がスイッチするとか*2
ここまで塩を使いこなすのが得意な植物はそうそうないでしょう。


そんなことを考えながら、口の中でプチプチのほのかな塩味を楽しめる植物なのです。


→いっぱい育てて花を咲かせていっぱい食べようと思い、挿し芽をしました。
おおきくなるといいな。


名前を付けなきゃかわいそうだねと思い、いろいろ考えた結果、学名の Mesembryanthemum crystallinum の種名から「クリちゃん」に決定しますた。


クリちゃん、オレが大きく立派なオトナに育ててあげるね。

*1:Methyl chloride transferase: a carbocation route for biosynthesis of halometabolites. Wuosmaa A M; Hager L P Roger Adams Laboratory, Department of Biochemistry, University of Illinois, Urbana 61801 Science (New York, N.Y.) (1990), 249(4965), 160-2.

*2:Investigation of phosphoenolpyruvate carboxylase (PEPCase) in Mesembryanthemum crystallinum L. in C3 and CAM photosynthetic states. Slocombe, S. P.; Whitelam, G. C.; Cockburn, W. Dep. Bot., Univ. Leicester, Leicester, UK. Plant, Cell and Environment (1993), 16(4), 403-11.